田中恒成が史上3人目の4階級制覇!リング上で井岡一翔へ宣戦布告 兄亮明が五輪銅メダルの両国国技館で史上最速の快挙
「ボクシング・WBO世界スーパーフライ級王者決定戦」(24日、両国国技館)
トリプルタイトル戦の1試合目として行われた。同級1位の田中恒成(畑中)が、同級2位の2位のクリスチャン・バカセグア(メキシコ)に3-0の判定勝ち。井岡一翔、井上尚弥に続く史上3人目の世界4階級制覇を成し遂げた。世界6階級制覇のオスカー・デラホーヤ(米国)の24戦目を上回る、21戦目での史上最速の4階級制覇となった。
序盤は頭を低くして突っ込んでくる相手をボディーワークでかわしながら有効打をヒットした田中は、6回から怒濤(どとう)のアッパー攻撃で相手を追い詰めた。8回に左ボディーからのラッシュでダウンを奪った。ポイントは最大11ポイント差の完勝だった。
田中はリング上でベルトを手に「これがほしかったんでうれしい」と笑顔。その上で「満足していない」と言い切り、「僕はこのスーパーフライ級で4団体制覇をする目標を持っています。そして、井岡一翔選手へのリベンジも目標にあります」とプロ初黒星を喫した王者に宣戦布告した。
また「まずIBF(同級王者)フェルナンド・マルチネスを倒したい。(ベルトを)2つもってリングに立つのが井岡さんへのリスペクト」と当面のターゲットを掲げた。井岡戦には「それくらいのものをかけてやる必要があると思います。そして、4団体制覇を必ずしたいと思います」と自らにハードルを課した。
田中は、2020年大みそかに井岡一翔にプロ初黒星を喫したWBO世界スーパーフライ級戦以来、3年2カ月ぶりの世界戦だった。この日の会場の両国国技館では、21年の東京五輪で兄の田中亮明がフライ級で銅メダルを獲得している。