KO防衛の井上拓真「兄弟である以上、自分も盛り上げたい」大橋会長「今日は兄貴を超えたな」

兄・井上尚弥(左)、父・井上真吾トレーナー(右)と共に喜ぶ井上拓真=両国国技館(撮影・吉澤敬太)
 初防衛をおさめ兄・尚弥と抱き合うWBA世界バンタム級王者・井上拓真(撮影・佐々木彰尚)
 5回、ジェルウィン・アンカハス(右)を攻める井上拓真(撮影・佐々木彰尚)
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 「ボクシング・WBA世界バンタム級タイトルマッチ」(24日、両国国技館)

 王者・井上拓真(大橋)がIBF世界スーパーフライ級王座を9度防衛した難敵ジェルウィン・アンカハス(フィリピン)を9回44秒、右ボディーでKOに葬り、初防衛に成功した。

 試合後に会見した拓真は「初のメインイベンターとして、いい内容といい結果で終われてホッとしています」と大役を果たして安堵(あんど)の笑顔を見せた。

 積極的に出てくるアンカハスと打ち合っての見事なKO劇に「前に出てくるのは想定していた。足を使ってポイントアウトすることもできたが、それをやっちゃうといつもの自分のつまらない試合になっちゃうんで、あそこでしっかり打ち合って勝てたんで、すごい自信になりましたね」とシン・拓真に手応え十分。

 フィニッシュのボディーについて「練習ではくっついたら右ボディー、左ボディーって耳にタコができるくらいずっとやってきたので、今回接近戦でボディーもたくさん打てたんで、ホントにきつい練習をしてきた効果が出たなという感じです。効いてたのはわかっていたので、取りあえずボディーでスタミナを削ろうという、狙ったと言うより流れの中の一発」と振り返った。

 リング上では4団体統一スーパーバンタム級世界王者の兄・尚弥の祝福を受けた。今回、自身の攻撃的なスタイルに「どう攻撃的な部分を入れるか」という課題をクリアしたが「偉大な兄がいる。兄弟である以上、自分も盛り上げたい」と、尚弥の存在を意識することで進化できたという。

 所属ジムの大橋秀行会長に「今日は兄貴を超えたな」とたたえられると、拓真は「今日限り、超えたって言っていいですかね?そういってもらえるとうれしいです」と照れ笑い。大橋氏は「大きな壁を破って新しい井上拓真が誕生した」と喜び、次戦について「次は指名試合になる。ケガもないし、井上尚弥とともに試合ができると思うので、兄弟そろってすごい試合をしてくれると思う」と話した。なお、尚弥の次戦は5月6日に東京ドームでルイス・ネリの挑戦を受ける可能性が濃厚になっているが、拓真がそこで試合をするプランも、今回の試合前から浮上している。

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