井上尚弥戦決定の悪童ネリ 会見で異例の謝罪挨拶「2度裏切ってしまいましたが今回は節制している」 山中氏にも謝罪 17、18年山中戦でドーピング陽性と体重超過 主催者も厳戒チェック体制明かす

 「ボクシング・4団体統一スーパーバンタム級タイトルマッチ」(5月6日、東京ドーム)

 ボクシングの大橋ジムは6日、世界スーパーバンタム級4団体統一王者の井上尚弥(30)=大橋=が、WBC同級1位のルイス・ネリ(29)=メキシコ=と防衛戦を行うことを発表した。

 両者は会見に出席し、隣り合って着席。ネリは「再び日本の地を踏むことができてうれしい。皆さんに申し訳なかった。謝罪申し上げます」と、異例の謝罪から入り、「今、私は大変集中して練習しております、2度裏切ってしまいましたが、今回は節制をし、きちんと調整しています。偉大なる試合をみせたいと思います」と、誓った。

 待望の対戦決定に「このチャンスを待っていた。私は最強のボクサーと戦うことを臨んでいる。スピード、パンチのパワーもあるが、井上を恐れてはいない。リスペクトはしている」と、力を込めた。

 その後も反省の言葉を続けた。

 大橋会長は過去に体重超過やドーピング問題があったネリに対するチェック体制や違約金の設定については「厳しくチェックさせていただいてる。詳しい内容はこの場では言えない」と語った。主催者も「厳しいチェックしている。薬物検査もありますし、60日前の計量で134ポンドというリミットよりもだいぶアンダーで体重経過している。しっかり歴史を作れるように彼自身も頑張っている」と、説明した。

 ネリは17年に山中慎介からバンタム級の王座を奪取したが、その後、ドーピング検査で禁止薬物に陽性が出た。18年に山中慎介との再戦となったバンタム級世界戦の際に体重超過で王座剥奪となるなど日本では「悪童」としてしられ、日本ボクシングコミッション(JBC)から日本での活動を認めない処分が下されていた。しかし、井上戦の機運が高まる中で、2月末にライセンス資格の回復が認められていた。

 ネリは会見後に会場に訪れていた山中氏に謝罪。「私の間違いで、山中さんのキャリアを終わらせてしまったことは申し訳ありません」と語り、山中氏もネガティブな感情はないことを伝え、「今は私の方が重いんで」と冗談で空気を和ませた。

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