井上尚弥「やるしかない」東京ドーム決戦! 殺気立ち本気ネリとバチバチ20秒にらみ合い 大橋会長「怖い顔。最高の状態」
「ボクシング・4団体統一世界スーパーバンタム級タイトルマッチ」(6日、東京ドーム)
四大世界戦の前日計量が5日、都内で行われ、4団体統一世界スーパーバンタム級王者の井上尚弥(31)=大橋=ら出場8選手は全員、パスした。井上に挑戦するルイス・ネリ(29)=メキシコ=はリミットを500グラムも下回る、軽量級では異例の数字でパス。2018年の山中慎介戦で犯した体重超過の過ちは繰り返さなかった。尚弥の弟でWBA世界バンタム級王者の井上拓真(28)=大橋=は前日の西田凌佑(27)=六島=のIBF王座戴冠を受け、結果を残すことを誓った。
尚弥はリミットを100グラム下回る55・2キロでクリアすると、続けてクリアしたネリとフェースオフで約20秒間、関係者が引き離すまでごく近い距離でにらみ合い、火花を散らした。計量後の取材では、緊迫のにらみ合いについて「明日やるだけなんで。ここから駆け引きも始まっているので」と説明。間近で見た大橋秀行会長は「怖い顔をしていました。気合が入っていますよね。殺気が出てるし、最高の状態です」と証言した。
尚弥はコンディションについて「いつもながらバッチリ」と仕上がりに手応え十分。スーパーバンタム級も今回が3戦目となり「調整面では、何となくつかんではきていますけどね。フルトン戦もタパレス戦も、リングの上では支障は全くなかったんで。今回もパーフェクトにいくと思います」とすっかりこの階級になじんでいる。
ネリがリミットを500グラム下回ったことには、「余裕なんじゃないですか。ちゃんと準備して管理すれば」と驚きはない。試合が成立したことには「成立はするでしょ」と苦笑し、「ネリもたぶん過去最高のファイトマネーをもらうだろうし、そこはしっかりやってくるだろうというのがあったから心配はなかった」と想定内だとした。
当日のグローブはウイニング製で黒と白の2色。コスチュームに採用するとしていたホワイトタイガー柄で、パンテラ(クロヒョウ)の異名を取るネリ狩りに準備は万全だ。意気込みを聞かれた尚弥は「意気込みなんか今聞いてどうするんですか?そりゃもうやるしかないじゃないですか」と、余裕たっぷりに王者の笑顔を見せていた。