武居由樹が9戦目で世界王座奪取「足立区からきた武居が東京Dで世界王者になりました!」9連続KO逃すも大差判定撃破 世界4団体王座を日本人4人で独占快挙
「ボクシング・WBO世界バンタム級タイトルマッチ」(6日、東京ドーム)
元K-1王者で、同級5位の武居由樹(27)=大橋=が、王者ジェーソン・モロニー(33)=豪州=に判定3-0で勝利し、世界初挑戦で王座を獲得した。通算成績は9戦9勝8KOとし、史上6位タイのスピードでの世界ベルト獲得となった。日本ジム所属の選手としては記念すべき100人目の世界王者誕生となった。これによりWBC王者の中谷潤人、IBF王者の西田凌佑、直前に防衛に成功したWBA王者の井上拓真とともに、同級の世界主要4団体のベルトを日本人が独占する異例の事態となった。
1回は序盤互いに探りながらの展開。中盤から武居が距離を詰めて左ボディーを打っていくがローブローとなり、武居が手を合わせて謝る場面もあった。2回も果敢に前に出て行った武居だが、左ボディーが再びローブローで減点をとられた。それでも強烈なパンチを叩きこんで、主導権を握り続けた。
終盤に入ると、モロニーも反撃。8回序盤に左ジャブから右ストレートのコンビネーションを当てて、攻勢に出たが、武居もしっかりと打ち返した。最終12回にモロニーが最後の猛攻に出て、武居が棒立ちになる場面もあったが、何とか凌ぎきった。
勝利者インタビューで武居は「足立区からきた武居が東京ドームで世界王者になりました」と挨拶。「本当に12回が結構きつくて、KOで勝ちたかったんですけど、モロニー選手が強くて。モロニー選手のおかげで強くなれました」と、語った。
20年10月に当時バンタム級王者の井上尚弥と対戦し、7回KO負けを喫していたモロニー。偉大な先輩と同じ試金石を越えて、世界の頂へとたどりついた。
興行終了後の会見では「(12回にモロニーの猛攻を受けて)(自分のトレーナーの)八重樫(東)さんの試合みたいだなと思いながら試合してましたね。(K-1から来ての世界王者の意味)古巣のキックボクシングジム(パワーオブドリーム)の子供たちも、将来はボクシングの世界王者になりたいと思う子供がたくさんいる。道を切り開く意味でも今日は勝てて良かった」と安どの表情。今後については「まだどういう感じか分からない。また次に向けて作っていく。今日の試合内容じゃまだまだなので」と、話した。
◆武居由樹(たけい・よしき)1996年7月12日、東京都足立区出身。10歳でキックボクシングを始め、足立東高ではボクシング部主将。2014年、キックボクシングデビュー。17年、Kー1ワールドGPスーパーバンタム級王者に輝いた。21年、プロボクシングデビュー。22年、東洋太平洋スーパーバンタム級王者。23年、バンタム級転向で王座返上。キック戦績23勝(16KO)2敗。サウスポー。身長170センチ。血液型B。