大橋秀行会長 東京ドームから始まる新たな夢の始まりとは 井上尚弥に「連れてきてもらいましたよ」

 勝利を決めた井上尚(右)と喜び合う大橋秀行会長
 悲願の東京ドーム開催のポスターを示し、気合みなぎる大橋ジムの大橋秀行会長(撮影・持木克友)
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 「ボクシング・四大世界タイトルマッチ」(6日、東京ドーム)

 34年ぶりとなるボクシングの東京ドーム興行が行われた。4団体統一スーパーバンタム級世界王者の井上尚弥を擁し、所属する4選手で国内初の4大世界戦をプロモートする大橋ジムの大橋秀行会長(59)に、今回のドーム興行にかける思いを聞いた。

  ◇  ◇

 1988、90年の東京ドームがマイク・タイソンありきだったように、2024年の東京ドームは井上尚弥なしでは考えられなかっただろう。大橋秀行会長は「井上尚弥という夢の超特急に乗っている気分ですよ。連れてきてもらいましたよ」と率直に述べる。

 尚弥との関係には運命を感じている。大橋のラストマッチは93年2月10日だが、2カ月後の93年4月10日に尚弥が生まれたこと、大橋が達成できなかった高校1年生でのインターハイ優勝、全日本優勝、当時のプロ最短記録だった7戦目での世界奪取(尚弥は6戦目)、3階級制覇(尚弥は4階級)といった目標を「ことごとくかなえて」くれたこと、そして東京ドーム。「本当にすごく縁を感じます」と言う。

 井上尚弥のすごさは「試合内容、強さだけで」東京ドーム興行を実現させるまでに、ファンのみならず一般層をも引きつけてきたことだろう。

 大橋自身は、観客に見てもらうための仕掛けやパフォーマンスには肯定的だ。その上で「ただ、井上尚弥に関しては試合内容、強さだけでいけると思っていたので。それをブレなくやってきたんで、結果、大きな人気になり、東京ドームでできるようになったと思いますね」と言う。

 当初、観客動員は「実力だけじゃ苦戦して」いたが、18年から「一気に」増えた。尚弥はこの年、3階級制覇を達成し、ワールド・ボクシング・スーパーシリーズ(WBSS)1回戦で1回KO勝ち。「あれから常に超満員」で、東京ドーム興行は「バンタム級で4団体統一したぐらい(22年12月13日)からはいつでもできると思っていました」と明かす。具体化したのは「去年の5月くらい」だった。

 大橋ジムは今年で30周年。大橋は「30年前の自分に言いたい、30年後に東京ドームでやっているぞって。たぶん信じないだろうな。30年前にジムを始めた時って、初めて興行をやって、4回戦で5人続けて負けたんですよ。そこからスタートだったんで」と感慨を込めた。

 東京ドーム興行の継続について「その可能性も高い」と話す。そのためには直近なら井上尚弥の存在、将来的には「井上尚弥に続くようなスター」の存在が不可欠だ。大橋は「この東京ドームから、また大橋ジムの始まりなんで。どんどん若手も、アマチュア選手も入ってきている。だから、またスタートラインに立てたっていう感じですかね」と常に未来を見据えている。

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