ユーリ阿久井政悟 岡山の星が3-0寄せ付けず初防衛「きょうは僕の日でした」「休みたい」
「ボクシング・WBA世界フライ級タイトルマッチ」(6日、東京ドーム)
WBA世界フライ級王者のユーリ阿久井政悟(28)=倉敷守安=が同級3位の桑原拓(大橋)を3-0の判定で破り、初防衛に成功した。
2021年7月の日本フライ級タイトルマッチでKO勝ちして以来、2年10カ月ぶりの再戦。阿久井が、友人でもある桑原を寄せつけずに3-0の判定勝ちで初防衛に成功し「きょうは僕の日でした」と勝ち誇った。
開始早々、友の成長に危機感を感じ、スイッチが入った。手数で勝負するスタイルの桑原の左フックに、以前はなかった力強さを感じ「効かされましたね」。2回以降は前に出て圧力をかける攻めのボクシングに徹すると、タイミングの良いジャブやガードの隙を突くボディーに、挑戦者は反応できなくなった。
中盤以降は圧倒。最後の12回開始直前には「いよいよ最後だな」と互いに抱き合う場面も。倒しきれなかったことには不満が残ったものの、世界のベルトを初めて守り切り「勝ててホッとしている」と笑顔を見せた。
1月のダラキアン(ウクライナ)戦勝利で、岡山のジムから初の世界王者となった“岡山の星”。今年はもう1試合戦うことに意欲を示すが、激闘続きに「とりあえずここまでスパンが短かったんで休みたい」と正直に笑った。
◆ユーリ阿久井政悟(ゆーり・あくい・せいご)本名・阿久井政悟。1995年9月3日、岡山県倉敷市出身。元プロボクサーの父の影響を受けてボクシングを始め、倉敷翠松高から環太平洋大に進学。倉敷守安ジム入りし、14年4月プロデビュー。15年12月にライトフライ級で全日本新人王に輝いた。19年10月に日本フライ級王座決定戦を制し、23年1月に同王座を返上。24年1月にWBA世界フライ級王者となった。リングネームの「ユーリ」は1990年代に活躍した元世界王者、勇利アルバチャコフから。家族は夫人と2女。163センチ、右ボクサーファイター。