【長谷川穂積の拳心論】初ダウンも冷静だった井上尚弥 衝撃TKO劇「普通はすぐに立ち上がったりするものだが-」

 「ボクシング・四大世界タイトルマッチ」(6日、東京ドーム)

 スーパーバンタム級4団体タイトルマッチで、統一王者の井上尚弥(31)=大橋=が元世界王者で挑戦者のルイス・ネリ(29)=メキシコ=に6回1分22秒TKOで下し、ベルト4本の防衛に成功した。WBO世界バンタム級5位の武居由樹(27)=大橋=は王者ジェーソン・モロニー(オーストラリア)に3-0で判定勝ちし新王者に。WBAバンタム級王者の井上拓真(28)=大橋=は同級1位の石田匠(井岡)に3-0の判定勝ちで2度目の防衛。世界主要4団体のバンタム級王座は日本選手が独占した。歴史的な34年ぶりの東京ドーム興行を3階級制覇の元世界王者・長谷川穂積氏が、戦いを分析した。

  ◇  ◇

 井上尚弥選手が、いきなり1回にネリの左フックをもらってダウンを喫したのはビックリした。ただ、普通はすぐに立ち上がったりするものだが、冷静にカウント8まで聞いていた。こんなピンチもあると想定して、しっかりシミュレーションをしていたのだろう。

 落ち着きを取り戻した2回以降は回を重ねるごとにペースをつかみ、5回のダウンはショートの左フックを短くきっちり当ててみせた。これでネリは、かなりのダメージがたまった。最後のダウンも右アッパーから右ストレートのコンビネーション。東京ドームという大舞台で存分に魅せて勝ち切る。ネリとの力の差を見せつけたし、周囲の期待を上回る尚弥選手ならではの勝ち方だった。

 武居由樹選手は2回にローブローで減点されたが、その後もひるまずに左ボディーを打ち続けて、メンタルの強さを発揮した。さらにモロニーがサウスポーが得意ではなく、優位に運ぶことができた。ただ、最終12回に急速にスタミナ切れしたのは今後の課題として残った。

 井上拓真選手は前回の試合でKO勝ちしたことで、かなり自信をつけたようだ。こちらも1回にダウンに喫しながら、焦らず石田選手の後ろ重心のディフェンスの弱点をついて大差の判定勝ちにつなげた。武居選手が王者になったことで、バンタム級は4団体が全て日本選手が王者。すごい時代になった。これから本当に面白くなりそうだ。(デイリースポーツ評論家)

関連ニュース

編集者のオススメ記事

ファイト最新ニュース

もっとみる

主要ニュース

ランキング(ファイト)

  1. MC呆れ「激ヤバやろ」なBD人気ラウンドガールが人気番組で衝撃“事故”「リハなしで素人が出るとこんななる」

  2. 「危ない!機材壊れっぞ」BD茨城と北海道の喧嘩自慢が衝撃の大乱闘で会見中止に 朝倉未来も呆れ「もうこれ以上やっても喧嘩になるだけなんで」

  3. 当て逃げ書類送検の皇治がみそぎの公開丸刈り「ケジメみせたい」5・4RIZIN東京D参戦決定 “ヘビー級反則王”と体重差40キロ規格外マッチにブラックジョーク「ほんま街路樹やん」

  4. 「瓜田も気に入らねえ」“元喧嘩3000戦無敗”所沢のタイソンの舎弟登場に騒然「喧嘩300戦くらい」も…伝説の喧嘩屋もあ然の結末「信じられんねぇ」

  5. 当て逃げ書類送検の皇治がみそぎの公開丸刈り「ケジメみせたい」5・4RIZIN東京D参戦決定 “ヘビー級反則王”と体重差40キロ規格外マッチにブラックジョーク「ほんま街路樹やん」

話題の写真ランキング

写真

リアルタイムランキング

  1. 元貴景勝が激やせ 近影にファンびっくり「また痩せた」「現役時代の面影がない」昨年9月に引退

  2. 「瓜田も気に入らねえ」“元喧嘩3000戦無敗”所沢のタイソンの舎弟登場に騒然「喧嘩300戦くらい」も…伝説の喧嘩屋もあ然の結末「信じられんねぇ」

  3. 阪神ユニの江夏豊氏が車いすでサプライズ始球式 立ち上がり投球ポーズに甲子園沸く 捕手・田淵氏&打者・掛布OB会長

  4. 宮澤エマ 祖父は宮沢喜一元首相、姉はハーバード大卒「80点でもそこそこ、みたいな家庭で」

  5. 【報告全文】水卜麻美アナ 俳優の中村倫也と電撃婚 双方のSNSに似顔絵 ユーモア好き夫婦の共同作業 

注目トピックス