余命2カ月告白のBD公式レフェリーに支援の輪広がる クラファン4時間で4500万円達成 4人の子供の父、高額治療断念告白に
人気格闘家の朝倉未来が社長を務める「BreakingDown(ブレイキングダウン)」の公式レフェリー、鬼木貴典氏がステージ4の癌を患い「余命2カ月」と宣告されたことを受けて、朝倉や溝口勇児COOが開始したクラウドファンディングが開始から4時間で約4500万円を集め、22日、早期終了となった。
目標金額は1000万円だったが、4時間で支援者5637人から4486万9000円が集まった。朝倉や瓜田純士らBD関係者のほか、RIZINで活躍する皇治ら格闘技関係者が拡散を呼びかけるなど支援の輪が広がっていた。溝口COOは「急を要するため48時間とした鬼木さんのクラファンですが、開始から4時間ほどで目標金額の1000万を遥かに上回る4500万もの金額が集まったため、早期終了とさせていただきました。今回は『助かるかどうか分からない自分のために1000万かけるなら子供達の未来の為に少しでもお金を残したい』とすでに死を覚悟していた鬼木さんに対して、最後まで足掻いてくれと酷なことを伝えてしまいましたが、その理由は泣き崩れる子どもたちや奥様の姿を見るにつれ、お金が原因で、最善を尽くすことなく、鬼木さんがこの世から去ってしまったとしたら、『あの時もっとこうしておけば』といった虚無感や後悔が増し、残された奥様や子どもたちの心が救われないと思ったからです」と、説明。「ですが今回のクラファンに際して、僕は当然として、未来くんや海くんに対しても賛否の声があがるのも僕たちは覚悟していました。ただ、少なくとも鬼木さんの元に寄せられるコメントは温かいものしかなくて。それらのメッセージを読むにつれ、『たくさんの人に応援されている』という事実が鬼木さんにとって一番の薬になるような気が今はしています」と、支援に感謝した。その上で「ただ今回の取り組みのゴールはやはり鬼木さんが再びBreakingDownのリングに上がることです。鬼木さん、そんな奇跡を我々に見せてくださいね」と、呼びかけた。
「治療後の余った資金については『認定NPO法人日本こども支援協会』に寄付させていただきます。また『一部をご家族の生活にも充当してほしい』という声もたくさんいただいているので、こちらも関係者と議論したいと思っています」と、付け加えた。
鬼木氏は18日に自身のXで「私事で、大好きなブレイキングダウン関係者の皆様をはじめ、格闘技関係者の皆様、選手、お客様に大変ご迷惑をお掛けし申し訳ございません。理由と致しましては、ステージ4の癌です。数年前から患っていたのですが、病状が悪化し足が思う様に動かなくなり、サイドステップ、バックステップなどレフェリーに必要な機敏な動きが出来なくなりました。今は筋肉が日々減少し歩くだけでも身体に激しい痛みが走ります。医師からもこれ以上手立てがありませんと告げられ、医師から告げられた余命も残り2ヶ月をきりました」と告白した。
癌の宣告を受けた際、妻は号泣したという。4月に保険の効かない自由診療(全額自費負担)を受けることにしたというが、全ての治療を行うと1000万以上かかると聞き「治るかもわからない病気に、そして私がこの世からいなくなった後に家族に迷惑をかけるわけにはいかないもいかないと思い、自分の運命を受け入れ、治療を続けること断念しました」(原文ママ)とつづった。鬼木氏には21歳の長男、13歳の次男、11歳の三男、8歳の長女がいるという。
クラウドファンディングを受けて、鬼木氏は「これだけ多くの人にご支援いただいて、自分が本当に沢山の人に支えられていることを実感しました。命を改めて大切にしようと思えました。本当にありがとうございます。必ず治します」と感謝をつづった。