3冠挑戦目前の宮原健斗 藤波辰爾と戦って「レジェンドが俺の中に入ったから強いぞ」

 リングで対峙(たいじ)した(左から)藤波辰爾、永田裕志、LEONA、2人おいて綾部蓮、宮原健斗
 勝利を飾った(左から)AKIRA、越中詩郎、船木誠勝
 メインイベントで勝利した(左から)永田裕志、藤波辰爾、LEONA
3枚

 「プロレス・ドラディション」(24日、後楽園ホール)

 メインイベントで藤波辰爾、永田裕志、LEONA組が宮原健斗、関本大介、綾部蓮組という強力トリオを迎撃した。

 宮原は藤波、LEONAは前回大会からの遺恨を引きずる宮原と、それぞれの狙いが明白なこの一戦。必死に食らいついてくるLEONAには実力差を見せつけるような戦いっぷりだった宮原だが、藤波が出てくると正統派ファイトに転換。手四つからリストの取り合い、藤波のヘッドロックを宮原がヘッドシザースに切り返せば、藤波がさらにレッグロックに切り返すなどシブいグラウンドの攻防を見せ、2度目の対戦では藤波が宮原をドラゴンスクリューで吹っ飛ばしてみせた。

 最後は永田と綾部の局面になり、永田が延髄斬りからバックドロップホールドとつないで身長2メートル、体重110キロの綾部から3カウントを奪取した。

 LEONAは「負けたくないんだよ、悔しくて、相手に勝ちたい。そしたらそんな相手が憎くなって、背中を追いかけたくなるんだよ。実績もキャリアも全部上かもしれない。でもそんな者同士があのリングでは戦っていいんでしょ?宮原健斗の背中を絶対に逃がさない!」と、宮原を追い続けることを宣言。

 宮原は「藤波さんの息子、名前なんて言ったっけなあ?」ととぼけ、「もういいだろう。3度目があるかないかはおまえ次第だ。まあねえだろうけどな」とつれないコメント。藤波については「今日大事だったのは藤波さんとふれ合うことだ。手が触れた瞬間、あの人があの昭和の殺伐とした時代をくぐり抜けてきた闘争心を、体中から学ばせてもらったよ」と対戦できたことを喜んだ。

 そして、全日本の29日・後楽園ホール大会での3冠ヘビー級王座挑戦に向けて「さあ、安齊勇馬!今日はレジェンドが俺の中に入ったから強いぞ。おまえみたいな顔だけのスーパールーキーには3冠ベルトは重いぞ。俺が3冠ベルトを取って、全日本プロレスを次のステージに連れて行こうじゃないか!」と意気盛んだった。

 前回大会はインフルエンザで欠場した藤波は「久々、足が重くなり動きません。気ばかりあせって」と苦笑い。宮原には「よくあそこまでプロレスの厳しさを、LEONAを相手にしてくれた」と感謝し、LEONAには「余裕を持って受け流していたのをLEONAも分かっているでしょうし、いつ宮原君を本気にさせるか。自分が猪木さんから学んだことをこれから伝えていきたい」と課題を指摘した。

 セミファイナルでは越中詩郎、船木誠勝、AKIRA組と長井満也、黒潮TOKYOジャパン、MAZADA組が対戦。黒潮と船木の異次元対決では、船木が蹴りやチョップ、エルボーで切り込めば、黒潮は船木の張り手でダウンする度にヘッドスプリングで復活する妙技を見せ、ジャケットの裾をつかんでのパンチを繰り出していく。

 最後はAKIRAがムササビスプラッシュでMAZADAを沈めて越中組が快勝。新日本の若手時代、名物タッグとして鳴らした船木とAKIRAは「昭和の最後の生き残りです。何回も組んでるし」と笑顔を見せた。

 黒潮については「さすが世界のイケメンですよ」と評価していた船木だが、黒潮は「俺は船木さんにずっとプロレスを教わっていたんです。あれはプロレスなのかな?殴る蹴るを1日6時間。死ぬかと思っていたけど」と、かつての師弟関係を持ち出し、「僕はここドラディションで、船木さんをシングルで超えたい」と一騎打ちを要求。

 「組んでくれる場合は次の大会でとかはやめてください」としつつ「倒すまでやる、ここドラディションで。次負けたらもう1回組んでくれ。そこからはノーギャラでいいや」と、本気なところを見せていた。

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