井上尚弥の後輩4人が白星デビュー 大橋秀行会長が選んだMVPは「ナニワの激闘王」

 「ボクシング・6回戦」(25日、後楽園ホール)

 アマチュアで輝かしい成績を残したエリートで今春、プロ入りした大橋ジムの4選手がいずれも6回戦でデビュー戦に臨み、そろって白星スタートを切った。

 世界ユース選手権バンタム級金メダルで高校6冠の坂井優太は、バンタム級で韓国スーパーバンタム級3位のキム・ジヨンと対戦。「向き合って(グローブ)タッチして、だいたい分かるんですよ、パンチ力とか。行くアレがなかったから、出ちゃいました」という坂井は序盤から攻め立て、1ラウンド中盤に右フックでダウンを奪取。2ラウンド、コーナーでめった打ちにしたところで相手陣営からタオルが投入され、2回1分20秒、TKO勝ちした。

 ワンサイドゲームにも「もっともっと技術で見せたかったけど力んじゃって。4、5ラウンド落ち着いてやれば勝手にKOになっていたと思うけど、観客の視線が入って」と反省する坂井に、トレーナーの父・伸克さんも「(普段のスパーリングの方が)100倍いい。次のことを考えたら4ラウンドくらいやりたかった」と苦笑いした。

 全日本選手権ウエルター級優勝の田中空は、ウエルター級で韓国8位のキム・ドンヨンと対戦。フックで先制のダウンを奪うと連打からの左フックでトドメを刺し、1回1分8秒、豪快にTKO勝ちした。

 田中空は「6ラウンドやりたくないし、1ラウンドから行こうと思っていたので良かった。緊張もありましたし、ワクワクもすごくありました。アマチュアと全く違って楽しかった」と笑顔を見せつつ、「自分のパンチも効くのが分かったけど、自分も同じように効くのを実感したので、改めて怖いと思った」と、プロの怖さを実感したことも明かした。

 全日本選手権バンタム級優勝の田中将吾は、フライ級で昨年の東日本新人王・高熊龍之介と対戦。既に8勝(3KO)2敗の戦績を持つ高熊を相手に1ラウンド、左ジャブの相打ちからダウンを喫してしまうが、そこからスピードと機動力を生かした手数と精度で追い上げ、手数が激減した高熊に判定3-0で逆転勝ちした。

 田中将吾は「プレスをかけていこうと思ったら、高熊選手はすごいプレスをかけるのがうまくて、あせってしまってジャブでダウンを取られてしまった」と振り返り、「プロになってからやっている、パワーパンチで倒す戦い方が全然いけてなかった。勝ったことだけが救い。何一つ練習でやって来たことが出せなかったので、ショックがすごくデカい」と反省しきりだった。

 全日本選手権ライト級優勝の大橋蓮は、フェザー級でアタッチャイ・プラソエトリ(タイ)と対戦。得意の左ストレートで倒すと予告していた通り、左ストレートでよろめかせ、連打からの左で失神させて1回2分34秒、TKO勝ちした。

 大橋は「すごく気持ちよく倒すことができてうれしい。(緊張は)全くなかった。練習で松本圭佑先輩にガンガンに殴られていたので、それ以上強い選手はいないという自信はあった」とデビュー戦を振り返った。

 大橋秀行会長は4人全員が良かったとした上で「田中将吾が一番良かった。一番骨のある相手に、ダウンを取られて勝ったのは大きい。やっぱりナニワの激闘王だ。MVPは田中将吾」と、最も実績がある相手に先制ダウンを奪われながら逆転勝ちした田中将吾を特に称賛していた。

関連ニュース

編集者のオススメ記事

ファイト最新ニュース

もっとみる

    主要ニュース

    ランキング(ファイト)

    写真

    話題の写真ランキング

    リアルタイムランキング

    注目トピックス