井岡一翔が涙の陥落 0-3判定負け35歳で無冠に「自分の生き方、戦い方は貫いたかな」 進退「今は考えられない」

 マルティネス(左)に敗れ、悔しさをにじませる井岡(撮影・西岡正)
 9回、マルティネス(右)に攻められる井岡
 試合後、会見をする井岡(撮影・佐々木彰尚)
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 「ボクシング・WBA・IBF世界スーパーフライ級王座統一戦」(7日、両国国技館)

 WBA王者の井岡一翔=志成=は、IBF王者のフェルナンド・マルティネス=アルゼンチン=に0-3の判定で敗れ、2度目の防衛に失敗してタイトルを失った。井岡は日本選手歴代1位の世界戦22勝でスーパーバンタム級4団体統一王者の井上尚弥(大橋)と並んでいたが、世界戦単独勝利記録の更新はならなかった。試合後に進退については、「今は考えられない」と明言を避けた。

 デビュー15周年の初戦で3度目の黒星を喫し、花道を引き上げる井岡の目に涙があふれた。

 「そりゃ泣きますよ。悔しいですもん。涙もあふれるし、胸詰まる思いはもちろんありますし」と打ち明けつつも、「全力で生き抜いたということは自分自身で自分を受け入れたいし、満足したい」と、激戦への誇りもにじませた。

 「1ラウンド1ラウンド、倒すつもりで全身全霊で戦っていた」という言葉通りボディーを軸に攻めた。1回には「絶妙のタイミングで左のボディーが効いた」と振り返った通りダメージを与えたが、マルティネスも力強いコンビネーションで猛打を振るう。接近戦での打ち合いに客席は何度もどよめいた。

 ジャッジは1人がフルマークをつけるなど、3者ともIBF王者を支持。井岡は潔く結果を受け入れ「自分の生き方、戦い方は貫いたかなと思う。チームとしてやったことには満足している」と穏やかに語った。

 初めて世界王者となってから13年5カ月。日本人最多となる25試合目の世界戦を飾れなかった。試合後、5歳の長男の手を引き、2歳の長女を抱っこしていた。子供からは「かっこいい」と言われたといい、「日本人としての強さ、12ラウンド通して気持ちが折れない強さ、戦い続ける姿勢を見せたかった。それは逃げずにできたので、選んだ生き方は全うできた」と訴えた。

 今後の進退については「考えていたことが全く白紙になったので、考えようがないですね」と明言せず。「人生としての挑戦はまだまだ終わらないし、どの道に行っても戦い続けることは変わらない」とも話した。闘志はまだ消えてはいないはずだ。

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