中谷潤人の挑戦者アストロラビオ パッキャオのアドバイスは「秘密。絶対に言えない」

 「ボクシング・WBC世界バンタム級タイトルマッチ」(20日、両国国技館)

 2月に獲得した王座の初防衛戦となる中谷潤人(26)=M・T=に挑戦する1位のビンセント・アストロラビオ(27)=フィリピン=が15日、都内で公開練習と記者会見を行った。

 前夜に来日したばかりのアストロラビオは「4カ月間、この試合に向けて十分練習してきた」といい、具体的には、中谷を想定した同程度の身長でサウスポーの日本人選手を招いて120ラウンド、合計では180ラウンドのスパーリングを行ってきたと説明。自身については「なんでも得意」だという。

 2022年2月には元世界2階級王者ギジェルモ・リゴンドー(キューバ)に判定勝ちしている実力者で、世界挑戦は昨年5月に続く2度目。その時は当時のWBO王者ジェイソン・モロニー(オーストラリア)に判定負けしたとあって「負けたらまたゼロからのスタートになってしまうので負けないように準備してきた。準備万端整っています」と、中谷攻略に自信を見せた。

 6階級制覇のレジェンド、マニー・パッキャオ(フィリピン)とは同じミンダナオ島出身。「アイドルのように憧れて」9~10歳の頃からパッキャオの練習しているジムを見学しに行っており、交流があるという。

 中谷戦に向けてパッキャオからもらったアドバイスも「あります」というが、「ちょっと秘密です。絶対に言えない。試合を楽しみにしてください」と内容は秘した。パッキャオからはこれまで「トレーニングをしっかりやりなさい。いつも集中しなさい」と言われているという。

 トレーナーのノノイ・ネリ氏はアストロラビオの長所を「とても真面目に練習する。(私生活では)父親としての役割をしっかり果たしている家庭人」と説明。妻との間に7歳の長女と4歳の長男がいるアストロラビオは「応援してくれる方々のため、家族のため、何よりも母国のために戦う」と話した。

 視察に訪れた中谷の所属ジムの村野健会長は「しっかりスピードがあって、体を使って重いパンチを打ちそう。背中も肩も、しっかり肩幅があって、体をうまく作ってるなという。コンディションはたぶんいいのかな」と印象を述べ、「機敏な動きで、警戒しなきゃいけないなと思いますね。それなりの強敵だなと感じました。(記者会見でも)向こうの本気度を感じましたね」と油断するところはなかった。

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