井上尚弥 “日本人キラー”ドヘニー戦へ「触れさせない」完封宣言 チケット最高値はネリ戦超え27万5000円
「ボクシング・ダブル世界タイトルマッチ」(9月3日、有明アリーナ)
ボクシングの世界スーパーバンタム級4団体統一王者の井上尚弥(31)=大橋=が、9月3日に東京・有明アリーナで、元IBF世界同級王者のTJ・ドヘニー(アイルランド)との防衛戦に臨むことが16日、発表された。WBC・WBO王座は3度目、WBA・IBF王座は2度目の防衛戦で、都内で会見した尚弥は「触れさせない」をテーマに掲げて完封劇を宣言した。また、WBO世界バンタム級王者・武居由樹(大橋)が、元WBC世界フライ級王者・比嘉大吾(志成)の挑戦を受けて初防衛戦を行うことも決まった。
尚弥は「ネリ戦も1ラウンドのダウンを除けばパンチもらったかな?っていうぐらいの完封だったんで、それくらいの気持ちで完封していきたい」と意気込んだ。5・6東京ドームでルイス・ネリ(メキシコ)にTKO勝ち後、IBF・WBO1位のサム・グッドマン(オーストラリア)、WBA1位のムロジョン・アフマダリエフ(ウズベキスタン)の名が挙がっていたものの、ドヘニーも危険な相手だ。
岩佐亮佑からIBF王座を奪い、高橋竜平を相手に防衛し、昨年は尚弥と同門の中嶋一輝からKOでWBOアジア・パシフィック王座を奪った日本人キラー。昨年は尚弥のスパーリングパートナーのジャフェスリー・ラミド(米国)もKO、ドームではリザーバーとしてブリル・バヨゴス(フィリピン)をKOした。
海外メディアには相手として物足りないという見方もあるが、大橋秀行会長は「ネリ以上の怖さがある。パンチも思い切り振ってくるし、勝ちに来るスタイルなので、危険なシーンもあると思う」と強調する。
「あと2年くらいはこの階級でやることを考えている」という尚弥も「約2年ってなると、多くて6試合。この6試合をフルで、前回みたいな試合をやるのはほぼ不可能」と本音をのぞかせた。一方で「自分のやってきたボクシングと性格を考えれば、おのずと楽しい試合になる」と、試合内容には自信を見せた。
今回のチケットの最高値は、ドームまでの22万円を超えて27万5000円に設定された。世紀の一戦を経て高まる一方の期待も価値も自覚している尚弥は、ネリ戦を「超えられるようなパフォーマンス」を自らに課しつつ「燃え尽きるのではなく加速させていくキャリアにしていきたい」と誓っていた。