【長谷川穂積の拳心論】中谷、完璧な勝ち方 左ボディーストレートのタイミング抜群

 1回、ビンセント・アストロラビオ(右)に強烈な左ボディーストレートを浴びせ、KO勝ちした中谷潤人(撮影・西岡正)
 3回、ジョナサン・ロドリゲス(左)からダウンを奪う那須川天心(撮影・堀内翔)
2枚

 WBC世界バンタム級王者の中谷潤人(M・T)が、同級1位のビンセント・アストロラビオ(フィリピン)に強烈な左ボディーストレートを決め1回2分37秒でKO勝ちし、初防衛に成功した。那須川天心(帝拳)は初めての10回戦でジョナサン・ロドリゲス(米国)に3回1分49秒TKO勝ち。これでボクシング転向後4連勝(2KO)とした。デイリースポーツ評論家・長谷川穂積氏が、中谷と天心の戦いを分析した。

   ◇   ◇

 中谷潤人選手は現在の勢いを感じさせる文句なしの完璧な勝ち方だった。右で上を意識させておいて、左ボディーストレートが見事に決まった。決してこれで倒そうというわけではなかったと思うが、とにかくタイミングが抜群。アストロラビオも気合が入っていい表情をしていたし、少し不気味なイメージもあったとはいえ、終わってみれば実力差があり過ぎた。

 自分も現役時代に何度か1ラウンドでKO勝ちしたことがあったが、ほぼダメージを残さず次の試合に向かうことができた。確実に選手寿命が延びることを実感できたし、これは大きなプラスになる。井上拓真選手、武居由樹選手、西田凌佑選手とバンタム級はタレントぞろい。ただ、その中心にいるのが中谷選手なのは間違いない。4団体統一の可能性も十分にある。これからも楽しみしかない。

 那須川天心選手は半歩前で戦えるようになって、より力強く左ストレートが打てるようになった。仕留め切るときの手数の多さ、そこで必要なパンチを選択できる能力、全てにおいてレベルアップしていた。これで自信をつけて、さらに強くなっていけるはず。インタビューを聞いていても、彼なりに覚悟というものが感じられたし、実力の高さを試合で証明したメンタルの強さも評価できる。何らかのタイトルを取って、来年には世界戦の舞台へ立ってほしい。個人的には武居選手との対戦を見てみたいと思う。

関連ニュース

編集者のオススメ記事

ファイト最新ニュース

もっとみる

主要ニュース

ランキング(ファイト)

  1. 「タバコ消せ、タバコ消せ、オラ!」もはや放送事故 夜の繁華街路上で茨城喧嘩自慢が暴走大げんか 倒れた相手踏み付け場面も 伝説喧嘩師が動揺「待て待て待て待て」

  2. ボクシング 5・4ラスベガス再上陸の井上尚弥、渡米直前も幼なじみボクサーを応援 元Jリーガー山口聖矢1回TKO勝ちで感謝「負けられなかった」

  3. 【写真】元新日本プロレス専務、新間寿氏が死去、90歳「過激な仕掛け人」猪木VSアリ戦、初代タイガーマスクなどプロデュース

  4. 綺麗な顔を「ボコボコに」 WBA女子王者の黒木優子、25歳鈴木なな子に非情予告「顔は大事」 6・26フェニックスバトル

  5. 那須川天心「俺に喧嘩売ってる?」 霜降り明星と三つどもえバトル 今年の大みそかは「霜降りVS天心」?

話題の写真ランキング

写真

リアルタイムランキング

  1. 「奥さんだったの!?」ノブコブ徳井健太 「天才」な妻の美人歌手を語る ネット「知らなかった」「結婚してたのか」「いつもリツイしてる人」

  2. 京本大我 激変、長髪バッサリ→誰!? 舞台挨拶に現る 短髪の白肌美形 若き日の父京本政樹にそっくり

  3. 大谷翔平 審判判定に思わずジャンプ→右手挙げて合図 直後の一球を冷静に見極めて四球選ぶ

  4. 韓国代表U-20に選抜 元サッカー選手が35歳で急死 2月に夫婦で番組に出演したばかりだった

  5. 松嶋尚美、読み方は「まつしまなおみ」じゃなかった…スタジオも思わず「へー!」

注目トピックス