ザック・セイバーJr.真夏の祭典初制覇!引退の師匠・小川良成さんに捧げた 怪物・辻を関節技葬 10・14IWGP挑戦表明
「プロレス・新日本」(18日、両国国技館)
シングル最強を決める真夏の祭典「G1クライマックス」のファイナルが行われ、英国出身のテクニシャン、ザック・セイバーJr.(37)が、令和の怪物・辻陽太(30)を撃破して初優勝を飾った。外国人選手の優勝は2016年のケニー・オメガ以来、8年ぶり2人目。今月13日に頸部(けいぶ)負傷のため引退を発表したノア時代の師匠・小川良成さんにささげる快挙を成し遂げたザックは、10・14両国国技館大会でのIWGP世界ヘビー級王座挑戦をブチ上げた。
悲願のG1制覇を果たしたザックは、小川さんに「プロレス人生お疲れさまでした。全部ありがとうございました」とメッセージを送った。
04年にデビューし、11年からノアに参戦。小川さんとタッグを結成し、13年には師弟コンビでGHCジュニアタッグ王座を獲得している。17年からは新日本を主戦場としているが、師匠がG1期間中に引退を発表したとあっては、モチベーションがさらに上がらないはずもなかった。
ザック・コールとヨータ・コールがとどろく熱闘の最終盤、ザックは小川さんのオリジナル技「4の字ジャックナイフ」をくり出すもカウント2で返され、試合は30分台に突入。辻にリフトされたザックは寝技に引き込み、両腕を極める変型ダブルチキンウイングの「クラーキーキャット」に加えて、両脚も極める秘技「クラーキーキャット G1 34 winner テッカーバージョン」で終止符を打った。
日本語も話せるザックは「1・4、ちょっと遠いね。10月14日両国、IWGP挑戦するーっ!」とマイクアピール。バックステージでは、現王者の内藤哲也に今回のG1公式戦で勝った3選手のうち、グレート-O-カーンがまず挑戦し、その勝者に大好きな両国で挑戦するとの見通しを示した。
4の字ジャックナイフについて聞かれると「ショッパイ。でも小川さん、どうでしたか?すいませんでした」と照れ笑い。準決勝に続いて試合中に巻き起こったザック・コールを「たぶん初めて。ホントにうれしい」と喜んだ。日本で成り上がり、日本に愛された男は、G1からIWGPと頂点ロードをばく進する。
◆G1クライマックス 1991年に始まった新日本プロレス最強を決めるシングルリーグ戦(トーナメントの年、リーグ戦とトーナメント併用の年もある)。国内プロレス団体では最大級のシリーズで“真夏の祭典”と称される。最多優勝は蝶野正洋の5回。今年は20選手が2ブロックでリーグ戦を行い、優勝決定トーナメント1stステージで各ブロックの2位と3位が対戦。セミファイナルでその勝者と1位が対戦。その勝者がファイナルで対戦する、クライマックスシリーズ方式を採用した。
◆ザック・セイバーJr. 1987年7月24日生まれ、英ケント州シェピー島出身。2004年に英国でデビュー。欧州やノアで活躍。16年、WWEクルーザー級クラシック出場。17年に新日本初参戦。鈴木軍メンバーとして、タイチとのタッグ「デンジャラス・テッカーズ」で20年から3度、IWGPタッグ王座を獲得。18、22年にニュージャパンカップ優勝。初代NJPW WORLD認定TV王者。得意技はジムブレイクスアームバー、ヨーロピアンクラッチ。186センチ、96キロ。現在はTMDK所属。