初防衛の武居由樹、統一戦より那須川天心戦に意欲「ずっとやりたかった」異例エールの真意を説明「軽く名前を出したが…」

 「ボクシング・WBO世界バンタム級タイトルマッチ」(3日、有明アリーナ)

 王者の武居由樹(28)=大橋=が元WBC世界フライ級王者で同級1位の比嘉大吾(29)=志成=との激闘を判定3-0で制し、初防衛に成功した。リング上でのインタビューでは、将来的な対戦を熱望する同じキックボクシングからの転向組の那須川天心(帝拳)に向けて「10月(に次戦)の天心君、頑張ってください。応援してます」と異例のエールを送った。

 試合後の会見で、那須川に言及した真意を聞かれた武居は「やっぱりファンの方からは天心選手との試合を見たいという声がすごく大きい。自分自身、ボクシングに転向する前に天心選手とボクシングでやれたらいいなという気持ちもあった」と説明。同級では、WBCの中谷潤人(M・T)、WBAの井上拓真(大橋)、IBFの西田凌佑(六島)と日本人王者が林立しているが、武居は現状として「ずっと(那須川と)やりたかったという気持ちがあるので、自分は(同門の)拓真さんは別として、中谷選手とか(王座統一戦)というより、まずは天心選手とやりたいなという気持ちが強い。(今回は)軽く名前を出させてもらった感じだが、自分自身、今日の試合だとまだまだだなと思う」と率直な心境を明かした。

 ともにキック出身だが、自身は元K-1王者で、那須川は他団体のRISE王者だった。「本当に正直、K-1時代からやりたかった気持ちがあったが、キックでは交わることがなかった。その中で、自分がK-1に対してモチベーションが下がっているときに、那須川選手がボクシング転向を発表したりして、自分もボクシングに行ってみようかなっていう気持ちが芽生えた。それから、ずっとやれたらいいなという気持ちがずっとあった」と積年の思いを明かした。

 自身が先んじてプロボクシング転向後、22年6月には「THE MATCH」で那須川が当時K-1王者の武尊との世紀の一戦を制したが、武居は「K-1勢が負けたときはやっぱり悔しかったが、今はTHE MATCHはTHE MATCHだなという感じで、自分と天心くんの闘いは(キック団体同士の対抗戦とは)また別だなと思っている」と語った。

 一方で、世界王座初戴冠となった5月のマロニー戦、今回の比嘉戦と続けて判定決着となったことを受けて「前回も今回も自分がまだまだ力不足と感じるので、ボクシング技術を底上げしないと、世界トップの人は本当に強いんだなとこの2戦ですごく感じた。引き出しが少ない。いろんなコンビーションとか、引き出し増やさないとここから先は戦えない」と危機感をにじませた。

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