井上尚弥、前代未聞の“腰痛”決着に無念「中途半端な終わり方」「楽しくはなかった」 消化不良で会場困惑、足早に帰宅する観客も

 「ボクシング・4団体統一世界スーパーバンタム級タイトルマッチ」(3日、有明アリーナ)

 4団体統一世界スーパーバンタム級王者・井上尚弥(31)=大橋=は、挑戦者で元IBF王者のTJ・ドヘニー(37)=アイルランド=に7回TKO勝ちで防衛に成功した。7回にドへニーが突如腰付近を痛めたと訴え、あっけなくTKO勝利。前代未聞の決着で消化不良となり、会場はどよめき、足早に帰宅する観客の姿も目立った。試合後の会見で尚弥は「内容的にはこれからというところだったが、結果としてこうなってしまったものは仕方がない。セコンドの指示通り丁寧に戦うことをイメージしてやったので、内容的には全然悪くなかった」と振り返った。

 試合巧者のドヘニーと駆け引きをしながら、尚弥は12ラウンドを通じて試合を組み立てようと考えていたというが、ギアを上げた中盤で相手が腰痛を訴え、まさかの決着となった。相手陣営によれば6回に腰の神経を痛め、続行不可能となったという。尚弥は「自分も後半に懸けてしっかり見せ場をつくろうと思っていた」というだけに、「自分が理想としていた終わり方ではないので、たぶん見に来てくれたファンの方もやっぱりそうだと思う。ちょっと中途半端な終わり方になってしまったかな」と無念そうに振り返った。

 大きな見せ場もなく、これからという時に不完全燃焼のゴングが鳴った。「これを言ってしまうと見に来てくれたファンの方に申し訳ないが、守備、守備に回る選手と戦っていて、正直、楽しくはなかったですね」と苦笑いするしかなかった。

 観客席には井岡一翔の姿もあった。

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