大橋秀行氏とリカルド・ロペス氏が伝説の一戦を回想 大橋氏「今までで一番効いた」ロペス氏「人生変わった」

 トークショーの最後に笑顔で抱き合うリカルド・ロペス氏(左)と大橋秀行会長(撮影・持木克友)
 笑顔で握手を交わすリカルド・ロペス氏(左)と大橋秀行会長(撮影・持木克友)
 トークショーを行う(左から)リカルド・ロペス氏、ジョー小泉、大橋秀行会長(撮影・持木克友)
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 1990年10月25日に後楽園ホールでWBC世界ストロー級タイトルマッチを戦った大橋秀行・大橋ジム会長とリカルド・ロペス氏が24日、都内でトークショー「再会~ReUNION~」を行った。当時、王者だった大橋氏は4位のロペス氏に5回TKOで敗れ、2度目の防衛に失敗している。

 選択試合でロペス氏を選んだという大橋氏は「ものすごい、とてつもない選手で、フリオセサール・チャベスが同じ階級でなくて良かったと(言ったという)。メキシコではチャンピオンになる前から最強のチャンピオンになると言われていて呼んだ」と振り返り、「でもそれは間違いでした」と苦笑した。

 ロペス氏の公開練習を視察した、大橋氏が所属していたヨネクラジムの米倉健司会長とトレーナーが「全員が真っ青な顔をしていたので、どういう選手がすぐ理解した」という。

 ロペス氏は「どの試合も、すごく研究するのが好きだった」といい、大橋氏についても「とても勇敢で、前に出てきてパンチ力もあった。私はガードを上げて動きを止めないことを意識していた。大橋さんの周りを速い動きで回ることをずっと意識していた」と、作戦を説明。大橋氏は「1ラウンド目に右が当たったんですよ。行けば良かったけど、何かワナがあると思ってちょっとちゅうちょしてしまった」と振り返り、その後は「左右前後のフットワークで距離を全部外されて、はるか遠くにいる気がしました」という。

 フィニッシュとなった左フックは、大橋氏がボディーをパーリングするところを狙って下から放ったパンチだったと、大橋氏は実演しながら説明。トレーナーからは「大きいパーリングをしていつも注意されていた」といい、フィニッシュは「今までで一番効いたパンチ」だったとう。

 大橋氏が「探りを入れて整えていたのかな?」と聞くと、ロペス氏は「ボディーをしたから打ったところにこういうアクション(パーリング)をしたので。(大橋氏の試合も)何試合か見ていて、アクションも見ていたので、これは狙っていた」と、大橋氏を徹底的に分析していたことを打ち明けた。

 試合後、大橋氏と交換したトランクスを今でも持っているというロペス氏は、「(大橋氏の)ロレックスを冗談で取ろうとしたら『それは違うよ』と言われたことを覚えている」と笑わせ、この一戦で「人生が本当に変わった」と、その意味の大きさを強調。

 大橋氏も「あの試合があって、(海外の総会などで)大橋と言っても分からない。でも、ロペスにベルトを取られたと言うと『おーっ!』と言ってくれる」とロペス戦が自身にとって持つ意味の大きさを説明した。

 指導者としても「選手には、現役の時に同じ階級で伝説の人がいたら戦うべき、勝っても負けてもプラスになるからと言ってきた。八重樫東にも教えて、ローマン・ゴンザレスとの試合を即答でOKした。大橋ジムとして、集大成がリカルド・ロペス。打たせず倒せるボクシング。それが井上尚弥につながっていると思う」と、多くの世界王者を育てる上での基盤になっていることを明かした。

 イベントの最後には笑顔で抱き合い、握手を交わした2人。8試合全てががミニマム級となる25日・後楽園ホールの興行では、セレモニーが予定されている。

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