大橋秀行会長&リカルド・ロペス氏「伝説の一戦」語る 「打たせず倒せるボクシング」井上尚弥に継承 ロペス氏「準備が大事」

 トークショーの最後に笑顔で抱き合うリカルド・ロペス氏(左)と大橋秀行会長(撮影・持木克友)
 タイトルマッチで対戦する大橋秀行(左)とリカルド・ロペス
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 ボクシングの元WBC・WBA世界ストロー級(現ミニマム級)王者の大橋秀行・大橋ジム会長(59)と、元2階級王者のリカルド・ロペス氏(58)が24日、都内でトークショー「再会」を行った。2人は1990年10月25日に後楽園ホールで戦ったWBC世界ストロー級(当時)タイトルマッチの秘話を語り合い、大橋氏はロペス氏のファイトスタイルが4団体統一世界スーパーバンタム級王者・井上尚弥(31)=大橋=にまでつながっていることを明かした。

 伝説のフィニッシュを当事者が明かした。ロペス氏にKOされた左フックを「今まで一番効いたパンチ」だったという大橋会長は、ボディーをパーリング(相手のパンチを上からはたく防御)したところを狙って下から放ったパンチだったと、実演を交えて説明。トレーナーからは「大きいパーリングをいつも注意されていた」という弱点だった。

 同会長が「(ボディーで)探りを入れて整えていたのかな?」と確かめると、ロペス氏は「ボディーを下から打ったところにこういうアクション(パーリング)をしたので。(大橋氏の試合を)何試合か見ていて、アクションも見ていたので、狙っていた」と徹底的に分析していたことを打ち明けた。

 この一戦で「人生が変わった」というロペス氏だが、その後に世界王者5人を育てた大橋会長も、得るところは多大だった。「大橋ジムの集大成がロペスの打たせず倒せるボクシング。それが井上尚弥につながっていると思う」と現在の尚弥にまで継承されていることを説明。ロペス氏は自身と同じく無敗のチャンプロードを歩む尚弥に向けて、「自信過剰にならないこと、私生活に気をつけて常に準備をすることが大事だ」と金言を送った。

 終演後の大橋会長は約8年ぶりの再会を喜び、KOされたパンチを「消えるフォークボールが来た。(目の前がテレビ放送終了後の)砂の画面になった」と改めて回想。尚弥がロペス氏と戦ったらと聞かれると、「勝たせる自信があるかな。負けたヤツがこんなことを言ってもしょうがないけど」と穏やかにほほ笑んでいた。

 ◆リカルド・ロペス(Rocard Lopez)1966年7月25日生まれ、メキシコ・モレロス州クレルナバカ出身。アマで40戦全勝の戦績を残し、85年にデビュー。90年、大橋秀行からWBC世界ストロー級(現ミニマム級)王座奪取。その後、21度の防衛に成功。WBA、WBO王座も獲得した。99年、IBF世界ライトフライ級王座を獲得し2階級制覇。2001年に2度目の防衛に成功したのを最後に引退。プロ通算戦績は51勝(38KO)1分け。

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