「ボクシング・ＷＢＯアジアパシフィックバンタム級王座決定戦」（１４日、有明アリーナ）

　初めてのタイトルマッチで、２位のジェルウィン・アシロ（２３）＝フィリピン＝との王座決定戦に臨む１位の那須川天心（２６）＝帝拳＝が２日、都内の帝拳ジムで公開練習を行った。

　７月２０日の前戦では試合２週間前に自身のスタイルをつかみ、上位ランカーのジョナサン・ロドリゲス（米国）にＴＫＯ勝ちした。そこから３カ月弱で臨む今回は「減量中で顔も小さくなって肌ツヤも良く、すごく調子がいい感じです。前回の公開練習では、めちゃくちゃ調子いいっすよって正直ウソついてましたね。今回はホントに調子がいいというか、前回の流れのままずっと来られた。コツをつかんだじゃないですけど必要だったパーツがゲットできた感じがしたので、そこから引き続きやっていってるという感じなので。毎日毎日の発見がまだあるので、どれだけ試合までに強くなるのか楽しみです」と、天心スタイルの進化を実感している。

　公開練習はシャドー３ラウンド、ＷＢＯ世界バンタム級３位のクリスチャン・メディナ（メキシコ）とのスパーリング３ラウンド、ミット打ち２ラウンドと、昨今の公開練習では珍しい本格的な内容で、スパーリングでは多彩なパンチや接近戦を披露した。

　天心は「今まではワンツーとか単発のフックだけだったけど、そこからアッパーを打ったりボディーを打ったり、左から右につなげたり。コンビで練習していたわけじゃないんですけど、一個一個、体の使い方をやってきたら自然にできるようになってきた。パンチの種類が増えたんですよね。最近になってからですよ、ちょっと近い距離で有利に立つことができて」と解説。

　「これ（公開練習）って３カ月に１回とか４カ月に１回じゃないですか。４カ月で人ってこんなに変わるんだって見せるメッセージ性として、練習をガチでやるっていうのは意識しています。普通の公開練習だったらシャドーとかも軽く１～２ラウンドぐらいやってバックレればいいしと思うけど、僕は練習通り、ちゃんとビシってやるのは決めてます」と、天心哲学を開陳した。

　また、９月には同じキックボクシングからの転向組で、先に世界王者（ＷＢＯ世界バンタム級）となった武居由樹（大橋）から、対戦に向けたメッセージが月初と月末に発せられた。

　天心は「前回、僕がああいう勝ち方をしていなかったら言われなかったと思う。そういう時期が近づいてきているとも思う半面、まだ５戦。今年新鋭賞もらったばかりですから、まだ新人なのでトランキーロ、焦んないでください。気長に行きましょうよ。まだまだ強くなるのでもうちょっと待っててください」と、プロレスラーの内藤哲也の決めゼリフを引用して投げ返していた。