井上拓真 兄・尚弥の仮想・堤に「手応えはバッチリ。それはもういろいろやりましたので」

 会見を行った井上拓真(中央)と大橋秀行会長(右)、井上真吾トレーナー(撮影・佐藤厚)
 シャドーボクシングをする井上拓真(撮影・佐藤厚)
 シャドーボクシングをする井上拓真(撮影・佐藤厚)
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 「ボクシング・WBA世界バンタム級タイトルマッチ」(13日、有明アリーナ)

 3位の堤聖也(28)=角海老宝石=の挑戦を受けて3度目の防衛戦を行う王者の井上拓真(28)=大橋=が3日、横浜市内の大橋ジムで公開練習を行った。

 拓真と堤は高校時代に一度対戦して拓真が勝っており、堤は長く拓真へのリベンジをアピールしてきた。拓真は「タフですごく気持ちが強い選手」と評しつつ、スイッチの堤に対し「どんな形になっても対応できるよう準備している」といい、「テーマはTシャツの通り『OVER POWERED BLOW』、圧倒的に勝てるように、返り討ちにして勝ちたい」と、新Tシャツの胸にあしらったスローガンを引用して宣言した。

 練習では堤と何度かスパーリングしている兄で4団体統一世界スーパーバンタム級王者の井上尚弥(31)=大橋=が、仮想・堤としてスパーリングパートナーを務めた。拓真は「具体的にそこまでは言えない」、「細かくは言えない」と詳細を秘したが、ここまでのスパーリングの78ラウンド中10ラウンド以上は費やしたと言い、「手応えはばっちりですね。それはもう、いろいろやりましたので」と自信を深めた様子だ。

 父の井上真吾トレーナーは「尚弥がいろいろ想定した動きをしてくれる中、(拓真は)全部反応して対応して、自分がプラスアルファのアドバイスをしたら、そこは忠実にやってくれるので、すごくいいですよ」、大橋秀行会長も「尚弥ともすごい良かったし。尚弥はうまいですよ。それに拓真がすぐ反応して、すごく反応してきて」と、兄弟スパーの一端を明かした。

 今回の興行では13日のメインイベントが拓真、14日のメインイベントがWBC世界バンタム級王者・中谷潤人(26)=M・T=の防衛戦で、両雄は互いを相手にした統一戦の実現を目指している。

 拓真は「そこ(統一戦)が決まれば自分自身もすごく高ぶりますし、ここをしっかり勝たないと意味ないんで、まず堤選手に集中して勝ちたい。この先に見据える統一戦に向けて、まずはしっかりここを勝ちきって次のステージに進みたい」と述べ、「自分的には決まれば、それに合わせて仕上げるだけなので、自分的にはいつでも」と、早期の実現を歓迎する姿勢を見せた。

 大橋氏も「全然喜んで、はい。今こそそういうのをやるべきで、ファンの)見たいと思う試合をどんどん応えて。そうすればボクシングの魅力って必ず上がるので、ボクシングの未来につながる」と、前向きに話していた。

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