RAMPAGE武知海青 プロレス3戦目は所属ラストマッチの師匠とタッグ「イズムを受け継いでいきたい」
「プロレス・DDT」(3日、新宿FACE)
THE RAMPAGEの武知海青がプロレスデビュー3戦目を行った。9・29後楽園ホール大会で2戦目を行ったが、師匠の大石真翔が今大会をもってDDTを退団するとあってタッグ結成を熱望し、急きょ試合が組まれたもの。武知は大石と組んで彰人、平田一喜組と対戦した。
武知は裸絞めや脳天砕きで平田を攻め込み、チョークスラムを決めようとしたところで平田が「待った」。平田は大石への感謝の手紙を読むとダンスバトルを直訴し、4人で「TOKYO GO!!」の曲に乗って踊り出した。本家の平田をはるかに上回るキレキレのダンスを見せた武知は、彰人をドロップキックで排除。武知が平田に師の必殺技ミラクルエクスタシーをたたき込むと、大石が12分40秒、直伝トルネードクラッチで丸め込み、武知はデビューから3連勝となった。
試合後は武知も手紙を取り出し、「僕がプロレスラーとしてドラマに出た際、ご指導いただいて。右も左もわからない僕に、丁寧に教えてくださりました。そこから2年の時が過ぎ、デビュー戦の時も一からプロレスを教えてもらいました。僕は大石さんが教えてくださった手首の取り方、受け身の取り方、ロープワークをいつまでも続け、大石さんイズムを受け継いでいきたいと思っています。いつかプライベートでもお仕事でも、もしかしたらリングでもお会いした時は変わらない距離感でお会いしたいです。本当にありがとうございました」と感謝の思いを読み上げた。
3戦目にしてDDTワールドを体感した武知は「プロレスの新たな面白さ、扉を開いてくれた気がします。(ダンスは)跳ねるので、RAMPAGEのステージより難しかった」と振り返った。
この日の新宿FACEの観衆は500人で超満員。小規模会場での試合については「HIROさんからも言われてるんですけど、ホールでもアリーナでもドームでもスタジアムでも、やるべきことは変わらないし、伝えるべきことも変わらない。会場が大きくなったり、狭くなったりしただけで表現の仕方を変えるんじゃなくて、どこでも100パーセント出すのがホンモノのパフォーマーだし。僕が目指しているところなので、気にならなかった」と、変わらぬ全力ファイトを心がけたことを明かした。
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メインイベントでは大石が男色ディーノとのガンナメ・エクスプレスで、しゅんまお(MAO&勝俣瞬馬)の保持するKO-Dタッグ王座に挑戦。MAOがとWノックダウン状態になった大石はマイクを持ち、「俺がDDTにいて一つだけ成し遂げたことがあると言えば、てめえらが育ったことだ。最後に1個だけワガママ言わせてもらっていいかな。もっといろんな選手と当たりたかった。俺がDDT所属の状態で当たりたかったらリングに上がってこい!」と呼びかけると中村圭吾、須見和馬、上野勇希、To-y、秋山準、高木三四郎、武知がリングインして大石に攻撃。最後はMAOが25分9秒、居合いキックからの片エビ固めで師匠を介錯(かいしゃく)した。
MAOが「大石さん、俺たちが最後の相手でよかったですかね?」と問うと、大石は「おまえらしかいねぇだろ。おまえらに言いたいことがある。引退じゃねぇから。まだまだDDTに上がるし、なんならおまえの大崎(11月17日のMAO凱旋興行)も出ようと思ってるから。福島だって行ってやるよ。(宮城から)近いからな」と回答。
ディーノは「13年、私が利用してきたことも知らずに。最後の最後で負けやがって。てめえはDDTから出て行け。負け犬は去れ。おめえが去らないなら私が去る」と号泣しながらリングを降りた。大石は「ディーノ、てめえを利用してたのは俺のほうだよ。てめえは残れ。でも、俺のDDTでの居場所はてめえの横しかないから。覚悟しとけ」と返した。
そして「引退じゃねぇからな。しつこいくらいにDDTに上がってやる。もういいよ、もう引退しろって言われるまでDDTに上がり続けてやる。負け犬は去るのみ。とりあえずこのリングから去る」と最後のメッセージを送った。
MAOは「しゅんまおの試合は大石さんから学んだもの。DDTから去るかもしれないけど、大石イズムは俺たちの中に、DDTの中に残っていく」と語っていた。