カシメロが前日計量の1回目で1キロオーバー 10分の遅刻にパスポート忘れも…当日計量パスなら試合実施

 「ボクシング・TREASURE BOXING PROMOTION 7」(10月13日、横浜武道館)

 元世界3階級王者のジョンリエル・カシメロ(フィリピン)とサウル・サンチェス(米国)のスーパーバンタム級10回戦をメインに行われる興行の前日計量が12日、東京・代官山で行われ、カシメロは最初の計量で1キロオーバーの56・3キロ。サンチェスは55・2キロでパスした。

 カシメロは2時間以内であれば何度でも計量できたが、時間内にクリアできず。プロモーターで元世界王者の伊藤雅雪氏によれば、カシメロは日本ボクシングコミッション(JBC)立ち合いのもとで当日午前に計量を行い、両陣営が合意した128ポンド(58・06キロ)をクリアすれば、試合は実施されることになった。

 サンチェスは記者会見で「(1回目の計量失敗は)何も言えないけど、アンプロフェッショナルかなと思います」とカシメロを非難する一方で「明日はいい試合になると思います」とも語った。

 計量は午前10時30分開始だったが、2分前の午前10時28分の段階で、まだ計量会場に到着していないというアナウンスがあった。カシメロが計量会場に入ったのは午前10時40分で、10分の遅刻だった。計量直前にはパスポートチェックに必要なパスポートを車内に忘れたとして取りに帰るなど、試合前からお騒がせ男ぶりを存分に発揮した。

 カシメロは昨年10月12日に初来日ファイトを行い、元IBF世界スーパーバンタム級王者の小國以載(角海老宝石)と対戦したが、4ラウンドに偶然のバッティングで小國が負傷、引き分けており、今回が2度目の日本でのファイトとなる。かつて対戦が決まったが流れた経緯がある4団体統一世界スーパーバンタム級王者・井上尚弥(大橋)への挑戦を目指している。

 対戦相手のサンチェスは21勝(12KO)3敗。1月にジェーソン・モロニー(オーストラリア)のWBO世界バンタム級王座(当時)に挑戦して判定負けしている。

 また、計量では小國と対戦するフィリップス・ンギーチュンバ(ナミビア)が、フェイスオフで至近距離から首をかき切るポーズで挑発してから小國を突き飛ばし、小國が負けじと突き飛ばし返す一幕もあった。

 小國は「めちゃくちゃ怖いなと思いながら、でも明日は思い切りブン殴りにいきます」と、苦笑しつつも意気込みを語っていた。

 全カードと計量結果は次の通り。

 【メインイベント・スーパーバンタム級10回戦】ジョンリエル・カシメロ(フィリピン)56・3キロ-サウル・サンチェス(米国)55・2キロ

 【セミファイナル・フライ級10回戦】京口紘人(ワタナベ)50・7キロ-ビンス・パラス(フィリピン)50・6キロ

 【第4試合・スーパーバンタム級8回戦】小國以載(角海老宝石)55・2キロ-フィリップス・ンギーチュンバ(ナミビア)55・0キロ

 【第3試合・ライトフライ級8回戦】谷口将隆(ワタナベ)50・2キロ-パイ・パーロップ(タイ)50・0キロ

 【第2試合・スーパーフェザー級8回戦】新井志道(黒崎KANAO)58・9キロ-榊野凱斗(角海老宝石)58・7キロ

 【第1試合・WBO女子アジアパシフィックフェザー級王座決定戦8回戦】藤原茜(ワタナベ)56・9キロ-タンチャノック・パナーン(タイ)56・9キロ

 大会の模様はU-NEXTで生配信される。

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