那須川天心 初ベルト奪取!流血も判定勝ち 日本人王者と対戦熱望「強いと言われている選手全員とやりたい」

 「ボクシング・WBOアジアパシフィックバンタム級王座決定戦」(14日、有明アリーナ)

 WBOアジア・パシフィック・バンタム級王座決定戦で、那須川天心(26)=帝拳=はジェルウィン・アシロ(フィリピン)に3-0の大差で判定勝ちし、ボクシングで初のチャンピオンベルトを手に入れた。

 天心が初のタイトルマッチ、初の10回戦、初のバンタム級で、ボクシングでは初のチャンピオンベルトを手に入れた。

 天心は予告していた、昭和テイストを取り入れた白いバスローブ風のガウンで入場。コールとともに気合を入れるが、現役大学生との二刀流・アシロの善戦に遭った。

 1回から左ストレートで顔面、ボディーをとらえていくが、アシロも巧みにパンチをかわしながら右ストレートを再三ヒットさせるなど、天心に「やりたいことをやらせてくれなかった。研究していた」と舌を巻かせた。

 7回に右に構えたり、8回に下がりながら右に回ってパンチを放ったり、冷静さを保って試合を動かさんとしていた天心は9回、右からの左ボディーで吹っ飛ばし、ついに最初のダウンを奪取。10回にはバッティングで「初めて」の出血を左目上に経験するが、初めて10回を戦い切って勝ち名乗りを受けた。

 ベルトを巻いて笑顔を見せた天心は「俺の大事な顔を傷つけやがって。顔で売っているのに」と笑わせ「来年、那須川天心対世界をぜひやりたいと思う。もっと強くなってチャンピオンになる」と宣言。リングサイドで熱視線を送っていたWBO世界バンタム級王者・武居由樹(28)に「勝ちましたよ、武居君!」と呼びかけた。

 会見ではバンタム級の世界王座を占める日本の4人と、前日にWBA王座から陥落した井上拓真(28)も含め「強いと言われている選手全員とやりたい」と改めて熱望。「OKをもらえるまで自分を高めていくしかない」と、さらなる進化を自らに課した。

 ◆那須川天心(なすかわ・てんしん)1998年8月18日、千葉県松戸市出身。キックボクシング42戦全勝、MMA4戦全勝。18年にエキシビションでフロイド・メイウェザーJr.(米国)と対戦。2022年6月、東京ドームで開催された「THE MATCH」で武尊との頂上対決に勝利した。23年4月にプロボクシングデビュー。弟の那須川龍心はキックボクサーでRISEフライ級1位。身長165センチ。リーチ176センチ。左ボクサーファイター。

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