ボクシングの国際ミドル級賞金トーナメント「プライズファイター」 継続が困難に 優勝者に合計100万ドルの触れ込みも

 7月15日に大阪で1回戦が行われたボクシングのミドル級賞金トーナメント「プライズファイター」の継続が困難になっていることが17日、分かった。この日、都内でイベントプロデューサーの深町信治氏、1回戦に勝利した日本ミドル級王者・国本陸が所属する六島ジムの枝川孝会長が記者会見を行い、明らかになったもの。

 深町氏は会見の意図の一つとして「日本のプロボクシングの名誉を守る」ことを挙げ、現状報告と説明を行った。

 昨年9月に英国の大手ボクシングプロモーション「マッチルーム・ボクシング」、スポーツ選手のマネジメントなどを行っている「NSN」、楽天チケットが都内で提携を発表。深町氏によれば、楽天チケットが出資し、NSNがイベントを主催・ディレクションし、マッチルームがボクシング競技のディレクションやマッチメークを担って、3年間で9回のボクシング興行を開催することになっていた。

 プライズファイターは優勝者のファイトマネーが総額100万ドル、1回戦敗退でも7万5000ドル、準決勝敗退で総額27万5000ドル、決勝敗退で総額65万ドル。1回戦、準決勝、決勝の段階ごとに総額10万ドル、計30万ドルのKOボーナスも支給される国際的な8人トーナメント。日本からは国本、可兒栄樹(T&T)、竹迫司登(ワールドスポーツ)が1回戦に出場。他に英国、中国、米国、アイルランドの選手が出場し、国本と竹迫が勝ち上がっていた。

 2回戦は今秋開催を予定していたが、今月9日にマッチルームの弁護士から、次のようなメールが送られてきたという。

 「現在、プライズファイターのトーナメントに関連した契約違反で、楽天(チケット)に対して法的手続きを開始していることをお伝えします。私たちは全ての未解決の問題を円満に解決し、10月末までに第2回大会に進むことを心から望んでいました。しかし、最善の努力にもかかわらず解決には至らず、法的手続きの準備が進められています。マッチルームと竹迫選手および国本選手との間でそれぞれ締結された試合の契約は、条項に従って契約は終了したことを残念ながらお知らせいたします。(中略)訴訟が進行中である間、国本選手と竹迫選手は自由に他の機会に試合を行うことができるという確認として(中略)マッチルームとしては、今回のトーナメントが開催されなかったことは、マッチルームというよりかは不可抗力に相当します」

 深町氏はNSNと楽天チケットに問い合わせたが、NSNからは返事がなく、楽天チケットからは、NSNとマッチルームに聞いてほしいと回答されたという。この日の記者会見開催を伝えると、NSNからは返事がなく、楽天チケットからは欠席するという回答があったという。

 深町氏は「私の方からイベント中止ですというのは正直、何も連絡を(楽天チケットとNSNの)2社からもらってないので、なかなかハッキリお伝えできない」としつつも「選手との契約はなくなりましたということなので、99・9パーセント、このトーナメントは開催されないのかなと思っております。他の外国人選手のマネジャーからは、俺たちはトーナメントはキャンセルされたと聞いている、というメッセージがありますので、立ち消えかなと私は理解しております」と、イベントの継続は困難との認識を示した。

 枝川会長は、国本に対して「非常に申し訳ない気持ちでいっぱい」と陳謝。「中止するなら中止するで、国本に対して、準決勝のファイトマネーぐらいは保証してやってほしい」と訴えた。1回戦のファイトマネーとKO賞は支払われたという。国本と竹迫はトーナメントの契約がなくなったため、今後は自由に試合に出場できる。

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