皇治、ブアカーオと激闘ドロー「死にますね。全然効いてる気せんかったし」と告白も「最低限の勇気は見せられた」

 試合後の皇治(右)とブアカーオ・バンチャメーク
試合後の皇治(中右)とブアカーオ・バンチャメーク(中左)
 ブアカーオ・バンチャメーク(左)との試合後、マイクアピールする皇治
3枚

 「格闘技・JAPAN MARTIAL ARTS EXPO PROLOGUE」(19日、横浜BUNTAI)

 MMAのRIZIN、異種格闘技の巌流島、グラップリングのQUINTET、立ち技のK-1が賛同して立ち上げられた“日本格闘技の総合博覧会”イベントの第1弾が開催された。

  ◇  ◇

 メインではK-1やRIZINで人気の皇治が、K-1レジェンドのブアカーオ・バンチャメークと、ボクシングに準じたルールの70キロ契約3分3回戦で対戦。

 1ラウンド、皇治はアップライトに構えるブアカーオのガードの上からジャブ、連打を放ち、ブアカーオはボディー連打から右ストレートを打ち下ろしていく。

 2ラウンドに入り、ブアカーオは左ジャブ、右ストレート、アッパー、ボディーと打ち分けて攻め込むが、タフな皇治も舌を出してから負けじと打ち返していく。ブアカーオの連打を顔面に浴びても笑顔で「来い来い」とアピールだ。

 最終3ラウンド、ブアカーオは圧力を強めて強打を振るい、皇治はケージに詰められて連打を浴びる場面も。それでも再度の舌出しパフォーマンスも見せて、「いつになく思い切り振りましたよ。拳が珍しく痛いくらい振ったっすよ」と振り返ったように、最後まで手を出してタイムアップ。判定はないルールのため、引き分けとなった。

 皇治は「死にますね。ステロイドせな試合してはいかん、アイツとは。むちゃくちゃパンチ重いし、多少なりともジャブとか当たったと思うけど全然効いてる気せんかったし。インターバルでステロイド打てば良かった。強かったし、偉大だなと思いましたね」と、ブラックユーモアを交えつつもブアカーオの強さに感嘆。

 自身のファイトについては「納得いってないけど、最低限じゃないですか。デカい男に立ち向かうという最低限の勇気は見せられたかなと思う」と自己採点し、「(観客は)心を動かしてくれたと思うんで、明日頑張ろうと思ってくれたらいいなと思って殴り合いましたね。いい意味で期待を裏切ったと思う。皆倒されると思ってたと思うんで。(準備期間は)1週間、短期間ですけど出て良かったなと思いました。なんやかんやとメインが一番盛り上がったと思います」と、充実感ものぞかせた。

 前日会見ではブアカーオに葉巻の煙を吹き付け、芋けんぴ呼ばわり。この日も舌を出したり「来い来い」と挑発したりしていたが、「昔から興味あるヤツ、リスペクトあるヤツしかあおらん」と明かし、「ブアカーオも谷川(貞治)さんも宮田(宮田)さんも、そういう人たちがいなかったらこんなに偉そうにしゃべれてない。素直に感謝してますし」と、先達に敬意を払っていた。

 初のボクシングマッチに臨んだブアカーオは「とにかく楽しかった。エキサイティングな気持ちで戦い抜くことができた。意識して蹴りを出さないようにと、気持ちがそっちに向いていた」と振り返り、皇治を「非常に強い選手、打たれ強くてハートの強い選手だと思った。倒せそうな瞬間はいくつかあったが、皇治は非常に打たれ強かったので倒れなかった」と称賛。皇治の挑発は「彼なりのパフォーマンス、スタイルだと思う」と認めつつも「葉巻を吸いながら登場するファイターは初めて見て驚いたし、明日は見てろ、倒してやるからなとは思ったけど」と、若干不快だったことを明かし、「機会があればぜひ蹴りありでやってみたい」と話した。

  ◇  ◇

 セミのISKAインターコンチネンタルスーパーフェザー級王座決定戦は、K-1の軍司泰斗がクリスチャン・ボグダンに判定勝ちして白いベルトを巻いた。

 9月29日のK-1代々木大会からわずか20日でのスクランブル出撃となった軍司だが、強烈な左右のボディーブローでボグダンを削り続けて圧勝。代々木では寺田匠に延長判定の末に敗れてK-1ワールドGPフェザー級王座から陥落している軍司は「12月にやれれば。年内のうちに取り戻す。いまだに負けてないと思ってる。次やって倒せばいいだけ」と、寺田とのリターンマッチを訴えていた。

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