渡来美響が無敗対決にTKO完勝で最強挑戦者に 菊池風磨弟・音央は2連続KO勝利も悩み告白

 「ボクシング・日本スーパーライト級最強挑戦者決定戦」(26日、後楽園ホール)

 1位の関根幸太朗(26)=ワタナベ=と2位の渡来美響(25)=三迫=の間で争われ、渡来が4回1分49秒、TKO勝ちで無敗対決を制し、来春のチャンピオン・カーニバルでの王者・李健太(28)=帝拳=への挑戦権を獲得した。

 「久々の日本人対決で、(互いに)アマチュア上がりというところで気合は入りましたね。何より無敗というところで、初黒星をつけてやるというモチベーションを持ってできました」という渡来は、1ラウンドから「ゴースト」の異名通り華麗なディフェンスで関根を翻弄(ほんろう)。左ジャブ、右ストレート、フック、ボディーとパンチを突き刺していく。

 4ラウンド、被弾が増えてきた関根が足を止めて「来い」というようなしぐさを見せると、渡来は敵陣の青コーナーに追い詰めてラッシュ。関根は脱出したが、今度は赤コーナーに追い込んでラッシュし、レフェリーが試合を止めた。

 渡来は「想定通りにいった試合だと思います。終始、冷静に行けたかなと思います。ディフェンス面も、毎度のことながらほとんど打たれることなく終われたので、そこが一番(良かった)かなと思います。最後まで打ち続けられたのが今までと違う、成長した点かなと思います。今までだったら深追いしないで判定でも勝てればいいという守りの勝負をしていたけど、最後までここで決めてやるという気持ちで行き切れたと思います」と試合を総括。

 フィニッシュに至る流れを「回り込んで右ストレートが入ったんですけど、そこが決め手になったかなと思います。相手があそこでかなり油断したので。今までの試合を見ていても油断する、穴が出る瞬間がある選手だと思ってたんで、しっかり当てることができて。冷静に見ていたからこそできたことだと思います。ロープ際で回り込んで右ストレートを当てた(直前の)瞬間、向こうの気が抜けたんだと思います。シャクール・スティーブンソンとかそういうトップ選手ならディフェンスを徹底すると思う。それがなかったので、当てることができたと思います。しっかり相手の弱点としてとらえることができたと思います」と解説した。

 次戦は日本タイトル挑戦となるが、「世界タイトルを取るためにプロになっているので、あくまで日本タイトルは必須の通過条件だと思っています。日本タイトル、李健太のことをナメていることは一切なくて、1試合1試合が世界につながる道だと思っているので、今回同様、差を見せつけて勝つことで、周りの皆さんが渡来は世界へ行くべきだと言ってくださると思うので、そういうところを目指してやっていきたい」と主張。

 「李健太選手はすごい正統派のサウスポーだと思うので、でも過去に中国1位の選手とやらせてもらって、同じようなタイプで本当に強かったので、その経験がよく生きる試合になると思います」と、攻略に自信をのぞかせていた。

  ◇  ◇

 第3試合のスーパーライト級3回戦は、timelesz・菊池風磨の弟・菊池音央(21)=新日本木村=が、ロク・ハッパ=中国=に3回1分44秒、TKO勝ちした。

 ここまで2勝2敗の音央は、1ラウンドから左ジャブをどんどん突いてペースを握る。2ラウンドに入ると左ボディーも効果的に入れていき、中盤にはロープに詰めて猛ラッシュ。3ラウンドに再びロープに詰めての猛ラッシュをしかけ、レフェリーが試合を止めた。

 これで2連続KO勝ちとなった音央だが、ジャブ、ワンツーからボディーを打ち、次に同じモーションでストレートを上に打って倒す作戦だったと明かし、「うまく組み立てられなかった」と反省。それでも「ワンツーでちゃんと脚が付いていくようになった」など、野木丈司トレーナーの「野木トレ」でフィジカルが強化された実感があったという。

 また、憧れている元東洋太平洋&WBOアジア・パシフィックスーパーフェザー級王者・木村吉光から助言された通り、1度目のラッシュでは相手の目やレフェリーのポジションを確認してから一度休んで様子を見ることを「実行できた」といい、実際に2度目のラッシュで決めるなど、成長を随所に見せた。

 これで戦績3勝2敗と白星を先行させ、あと1勝でB級(6回戦)昇格としたが、木村が新人王から日本ユース王者という道を歩んだことから「吉光さんロードをたどるにはそれしかない。(新人王を)狙うには来年しかない」と、新人王トーナメント参戦か、それとも6回戦かという悩みを打ち明けていた。

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