増田陸が日本王座初防衛 20周年&不惑の初挑戦をTKOで退けるも猛省「20点。全然満足できないところが多々ある」
「ボクシング・日本バンタム級タイトルマッチ」(2日、後楽園ホール)
メインで王者・増田陸(27)=帝拳=が、デビュー20周年、不惑で初のタイトルマッチのチャンスをつかんだ8位の宇津見義広(40)=ワタナベ=の挑戦を7回26秒、TKOで退け、初防衛に成功した。
左手でチョップのようなパンチを見せたり、出血を気にするようなそぶりからいきなりパンチを放ったりするなど、独特のリズムと構えで迫ってくる宇津見に手を焼いた増田だが、6回にボディーへの集中砲火を浴びせ、7回に強烈な左ストレートを見舞ったところでレフェリーが試合をストップ。敗れた宇津見は「チッキショー!」と絶叫した。
増田は勝利者インタビューで「ホントにリズムも独特で、非常にやりにくい選手でした。内容は全然満足できないところが多々ある。世界を目指してやっているが、今日の内容では全然手が届かない」と猛省。「課題と向き合って強くなって帰ってくる。この内容を真摯(しんし)に受け止め、ジムワークに復帰したい」と語った。
控室では「4ラウンド以内にKOすると考えていた」と明かし、フィニッシュへの展開を「頭が低くて当てにくいなと、序盤はあまりボディーを出さなかった。出したら当たったので…難しいです、ボクシングは」と説明。自己採点は「20点です」と激辛だった。
大和心トレーナーは「すごくキレイにスコーンと倒したかった。それが理想。ベテランのやりにくい選手を倒せたのは良かった」と話し、「本当にやりにくかった。頭が低い選手は(これまでの対戦相手で)あまりいなくて、芯で捉えるのが難しかった。陸のパンチを殺しながら殺しながら、なんかやろう、なんかやろうとしてきた。体も強い。キャリアを全部つぶして奪い取れればと思ったが、逆に勉強になりました。これもキャリア」と宇津見をたたえた。
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セミでは東洋太平洋スーパーフェザー級王者の波田大和(27)=帝拳=が王者としての初戦に臨み、ノンタイトルの132ポンド契約10回戦でフィリピン同級2位のプレスコ・カルコシア(28)=フィリピン=に4回1分31秒、TKO勝ちした。
カルコシアのパンチを被弾する場面もあったが、3ラウンドに左ボディーを効かせると、右フックで最初のダウンを奪取。ラッシュで2度目のダウンを奪った。4ラウンドに入ると左ストレート、左フックとたたみ込み、最後は左から右をブチ込んだところでレフェリーが試合を止めた。
波田は「1ラウンド慎重になりすぎてパンチをもらってペースを崩されて、本当に反省です。もっと1ラウンドを見つめ直さないといけないと思いました。もらっちゃいけないようなパンチがあって、良くないと思いました」と反省の弁が止まらず。それでも「しっかり立て直せたのはプラスにとらえたい」と、前向きに語った。
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日本ライトフライ級1位でWBA・IBF7位、WBO9位、WBC15位の高見亨介(22)=帝拳=が、フィリピンミニマム級3位のジョマー・カインドグ(29)=フィリピン=とのライトフライ級8回戦に臨み、1回1分18秒、「しっかり練習して狙っていた」という左ボディー一発でKO勝ちした。
17戦KO負けなしという相手を瞬殺した高見は「僕もビックリした。アップの時の方が汗をかいたと思う。試合内容に満足いく結果で良かった」と笑顔。来月に行われる日本ライトフライタイトルマッチ、王者・川満俊輝(三迫)-6位・大橋波月(湘南龍拳)の勝者に来春のチャンピオン・カーニバルで挑戦するため、「すぐ次の目標に切り替える。絶対に倒して勝ちます」と宣言した。