井上尚弥がサウジアラビア最大イベントと契約「タイミングによってサウジアラビアで試合ができれば」
ボクシングの4団体統一世界スーパーバンタム級王者・井上尚弥(31)=大橋=が4日(現地時間)、サウジアラビアのリヤドで、同国最大のエンターテインメントイベント「リヤド・シーズン」とのスポンサー契約を締結したことが同日、分かった。
リヤド・シーズンは通常10月から2~3月まで、さまざまなスポーツや文化、音楽のコンサートなどの催しが行われる同国の一大イベントだ。
尚弥は2日深夜(日本時間3日)にプライベートジェットでリヤドの専用施設に到着。皇太子のいとこ宅に招待され、食事をもてなされた。
4日にはサウジアラビア娯楽総局のトゥルキ・アル=シェイク長官を訪れ、3日から続けた交渉でリヤド・シーズンとのスポンサー契約を締結。調印式を行った。
リヤド・シーズンのアンバサダーにも就任し、12月24日のサム・グッドマンとの防衛戦から、トランクスのベルト部分にリヤド・シーズンのロゴをつけて試合を行うことになった。
トゥルキ氏は来年、日本とサウジアラビアが外交関係70周年を迎えることを指摘した上で「井上はオールタイムでベストの最高な選手。その井上尚弥選手と我々リヤド・シーズンは完全なミーティングを行い、25年のビッグサプライズとして、ともに歴史をつくるため井上選手にリヤド・シーズンのアンバサダーに就任してもらう契約を結んだ」と発表した。
尚弥をアンバサダーに選んだ理由を「井上選手は日本随一のアスリートで、今の若い世代のトップのアスリート。私は日本、日本市場について大変興味を持っている。必ずサウジアラビア及びリヤド・シーズンのアンバサダーとなってくれることを期待している。日本の皆さまにぜひこちらを感じていただいて、来ていただくことが目的。あと一つ、2025年に井上選手に関するビッグプロジェクトを考えている。それを楽しみにしていただければ」と説明。
「アンバサダーになってもらうことで、リヤド・シーズンがいかに大きなイベントなのかを紹介していただきたい。さまざまなイベントに実際出て、それがどんなものかを皆さんに紹介していただければ。井上選手にはさまざまなコマーシャル活動、デジタルアカウント、SNSなどを通じてしていただければ。リヤド・シーズンのコマーシャルも撮影していきたい」と、尚弥に期待する役割を語った。
サウジアラビアで尚弥と直接、交渉できたことには「素晴らしい体験です。実は先週、私が日本に会いに参りました。その時から今日まで協議を続けてきて、大きな契約に達することができた」と喜び、「その詳細については、今発表することはしない。井上さんサイドから、完璧なそのタイミングを見計らってアナウンスがされることになる。とてつもなく大きなサプライズで、これまであったものとは全く別物になる。必ず皆さんに喜んでいただけるような大きなものだ」と、スポンサー契約やアンバサダーとは異なる大きな契約を結んだことを示唆。
尚弥に期待することとして「来年、こちらのサウジアラビアでビッグファイトをすることだ」と、次期シーズンでの試合の実現を願った。
尚弥は「キャリア後半に差し掛かってくる中で、モチベーションとなる契約ができた。非常に楽しみな契約だと捉えている」と契約を喜び、アンバサダーとなったことで「自分自身のボクシングに対する考え方もまた少し変わっていくと思う」と予想し、「日本、海外のリングでまた違ったものを見せていきたい」と、内外のリングでのファイトに改めて意欲。
グッドマン戦からリヤド・シーズンのロゴがトランクスに入るが、「トランクスのロゴが変わるからといって僕のボクシングそのものが変わるわけではないので。そこは自分自身のボクシングを貫いていきたい」と話した。
リヤド・シーズンについては「詳しく見てきたわけではないが、限られた選手しか辿りつかない場所。誰しもが行けるステージではないと思っている」と、リスペクトを払い、サウジアラビアで試合を行うことについては「その辺りもタイミングになる。今年は試合が決まっているし、来年どうなるかはわからないが、タイミングによってサウジアラビアで試合をができれば。日本でやってきたパフォーマンスを出して、その期待に応えやるだけ」と、前向きに語っていた。