斎藤彰俊、引退試合3日前「三沢さんとも丸藤選手を通して戦える」 対戦する丸藤「三沢さんを背負って戦いたい。2対1ですよ」

 引退試合の記者会見を行う斎藤彰俊(左)と対戦相手の丸藤正道
 引退試合の記者会見に登場した斎藤彰俊
 引退試合の記者会見を行った斎藤彰俊(左)と対戦相手の丸藤正道
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 「プロレス・ノア」(17日、名古屋・ドルフィンズアリーナ)

 引退試合を行う斎藤彰俊と対戦相手の丸藤正道が14日、東京・渋谷で記者会見を行った。

 冒頭、斎藤は「いよいよすぐそこまで近づいてきましたけど、相手も自分自身にとってこの上なく大切な選手で、目の前に立っていただける。自分自身も最後にリングを降りる瞬間まで斎藤彰俊らしく上を見て前進して戦っていきたい」、丸藤は「ただの試合と違う。一人のプロレスラー斎藤彰俊の幕引きを、深く、重く受け止めて、大切にこの試合に臨みたい」と語った。

 斎藤は引退を3日後に控え「10月の時にはまだあるなと思っていたら、11月に入ったらかなり早いなと。気持ちは全く変わらず、100メートルの選手と同じくゴールのテープは全力で走って切らなければ充実感も何もないので、そこまで必ず進む」と心境を語った。

 丸藤を指名した時に三沢光晴さんの名前を出したことについて、斎藤はノアに愛知県体育館(ドルフィンズアリーナ)でテスト参戦した時に丸藤と対戦したことを挙げて「(自身の)ノアの歴史が丸藤選手から始まった」こと、「ノアで一緒にやりましょう」と声をかけてくれたのが丸藤であること、「三沢さんの付き人であったり常に一緒にいた中でノアのリングに現役で上がっているのは丸藤選手だけ」であること、「三沢さんと丸藤選手がシングルでやったとき、花道でおぶって帰ってきたことが頭の中からどうしても離れない」こと、生前の三沢さんが斎藤に「丸藤は人を引きつける力がある」と話していたことを列挙。

 「俺のノアの起承転結は丸藤選手に始まり丸藤選手に終わるべきなのではないのかなと。心とか信念とか、ノアの箱舟という遺伝子を残したのかなというのもあるし。今三沢さんと相対することもできないし、会話することもできない。ただ丸藤選手とも戦えるし、その後ろにいる三沢さんとも丸藤選手を通して戦える最後の日なのではないかな」と、丸藤を指名した理由を説明した。

 これを聞いた丸藤は「あの日以来僕はあまりリングとかコメントで三沢さんの話をしてこなかったんですけど、今の話を聞いて、自分の人生の中で最初で最後、三沢さんを背負って斎藤さんと戦いたいし、思い切り試合をやりたい」と応じ、「2対1ですよ、斎藤さん。三沢、丸藤対斎藤彰俊です」と呼びかけた。

 斎藤は「ホントに幸せじゃないですか。二人三脚をしてきたお二人と自分が戦えるなんて。しかもノアのリングで最後に戦えるなんていう、こんな幸せはない。(丸藤が)初めて三沢さんの名前をこういう場面で出したと言われてましたけど、その心意気をしっかり胸にたたき込んで全力で最後まで走り抜きます」と感謝し、「リングっちゅうのは人生だと思います。最後のリングは走馬灯のようにプロレスラーとして生まれてからリングを降りるまでを感じてもらえると思います」とファンに訴えていた。

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