宇津木秀が地域2冠を統一 ダウン応酬の激闘制すも反省「倒し倒されは4回戦6回戦でもできる」
「ボクシング・WBOアジア・パシフィック・東洋太平洋ライト級王座統一戦」(21日、後楽園ホール)
メインで統一戦が行われ、東洋太平洋王者の宇津木秀(30)=ワタナベ=がWBO-AP王者の保田克也(32)=大橋=との倒し倒されの激闘を6回2分47秒、TKOで制し、地域タイトルの統一に成功した。
宇津木は序盤から接近してロープやコーナーに追い込んでのコンビネーションでペースを握り、4回に右フックで先制ダウンを奪取。さらに右フックで倒しかけたが、直後に「大ざっぱになった」ところを保田得意のカウンター、右フックでダウンを奪い返される。
「めっちゃ効きました」という宇津木だが、KO負けした昨年4月26日の仲里周磨戦の経験がここで生き、「あのダウンがあったから立てた」と、なんとかゴングまで持ちこたえた。
5回にも左ストレートのカウンターで倒されるが、6回に右ストレート、ワンツーで2度のダウンを奪取し、続くラッシュでレフェリーストップを呼び込んだ。
宇津木は「保田選手は強くてうまかった。針の穴を抜くようなカウンターがすごかった。見えなかった」と保田をたたえ、「お客さんは喜んだと思うけど、そんなのはイヤ。圧倒して喜ばせたい。倒し倒されは4回戦6回戦でもできるんで。世界を目指す以上まだまだ」と反省しきり。
小林尚睦トレーナーもドキドキハラハラの展開に「コツコツできるのはいけど、お返しにデカいのを一発もらうのを何とかしないと。何回も言ってるんで。勝っててひっくり返されるのが一番悔しい。丁寧に、後半でいいって言ってるのに1ラウンドから行っちゃう」と指導が止まらないが、セコンドについた元世界2階級王者の京口紘人は「ヒヤヒヤしましたけど、いい試合やったと思う。勝って反省できて良かったな。今は喜ぼう」とねぎらっていた。
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セミでアジア最強ライト級トーナメント決勝が行われ、日本6位の今永虎雅(25)=大橋=が4位の斉藤陽二(29)=角海老宝石=を判定3-0で破って優勝賞金500万円を獲得した。
2回に今永の右フックで斉藤が左耳後ろから大流血し、その後はパンチがあたる度に血しぶきが噴き上がる凄惨(せいさん)な展開となる。
3回に右フックで斉藤に片膝を突かせるダウンを奪い、6回にも右ストレートでよろめかせるが、斉藤も無表情のまま圧力をかけて今永をコーナーに追い詰め、3、6、7回とパンチで今永の腰を落としかける。血染めの死闘となったが、ジャッジは78-73、79-72、80-71と3者とも今永を支持した。
今永は「めちゃくちゃほっとしてます。力んでしまった。自分のボクシングをさせてもらえなかった。反省です。初めてパンチをまともに何発かもらった」と苦笑いで反省。「正直、自分のパンチに自信があったんで、当てていたらそのうちスカッと倒れるかなと一発で仕留める作戦を考えていたが、気持ちが強くて作戦を変更した」と明かし、「まだまだ実力不足と分かった。早くタイトル挑戦に行けるように頑張ります」と、さらなる成長を誓っていた。
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日本スーパーウエルター級最強挑戦者決定戦は1位の左右田泰臣(36)=EBISU K’s BOX=とウエルター級で地域3冠を獲得した2位の豊嶋亮太(帝拳)で行われ、豊嶋がジャッジ3者とも80-72をつけるフルマークの判定勝ちで、来春のチャンピオン・カーニバルでの挑戦権を獲得した。
豊嶋はガードを上げて圧力をかけ、精度の高いパンチを上下に打ち分けていく。左右田もボディーを入れていくが、顔面へのクリーンヒットが少なく、劣勢が続く。最終8回、左右田は前に出て左右のパンチをクリーンヒットさせていくが、豊嶋も一歩も引かず、3-0の判定勝ちを収めた。
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日本ウエルター級最強挑戦者決定戦は2位の湯場海樹(25)=YUVAX=と3位のシーサー皆川(32)=平仲=で行われ、皆川が最終8回1分45秒、TKO勝ちで来春のチャンピオン・カーニバルでの挑戦権を獲得した。皆川は左フックで最初のダウンを奪うと、左フックのダブルでトドメ。レフェリーが試合を止めた。
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前日本ライト級王者で2位の仲里周磨(28)=オキナワ=は、再起戦で1階級上のスーパーライト級2位、アオキ・クリスチャーノ(35)=角海老宝石=とライト級8回戦で激突。5、6回とクリーンヒットを増やし、最終8回には激しく打ち合って、77-75、78-74、79-73の判定3-0で再起に成功した。