元K-1世界王者アラゾフ「K-1へ戻ることも視野に入っている」 12・14代々木にチームの監督で登場

 「K-1 WORLD GP 2024」(12月14日、国立代々木競技場第一体育館)

 チーム・アラゾフを率いて日本チームと3対3の対抗戦を行う元K-1 WORLD GPスーパーウエルター級王者のチンギス・アラゾフ(ベラルーシ)が25日、その狙いを明かした。

 チーム・アラゾフは、ダニラ・クワチ(ベラルーシ)が寺島輝(TANG TANG FIGHT CLUB)、ダニール・エルモリンカ(ベラルーシ)が中島千博(POWER OF DREAM)、コスタス・アスラニディス(ギリシャ)が高橋直輝(若獅子会館)と対戦する。

 アラゾフは10月の大阪大会であいさつし、久々にK-1のリングに登場。「ファンの皆さんが温かく私のことを迎えてくれて、またここで戦いたいという気持ちが出ましたね」と喜んだ。

 今回の3選手について「とても強くて若く、才能にあふれた選手を選びました。クワチは動きも良くて攻撃的でムエタイとキックの中間くらいのスタイルで、トリッキーなファイター。エルモリンカも前へ出ていくスタイルで、アスラニディスも同様です。3人とも私が好きなファイトスタイルで戦いますので、きっと日本のファンの皆さんも気に入ってくれるはずです」と説明。

 「彼らのモチベーションを上げ、戦略を教える今回の機会は、監督としてとても楽しみにしています。団体戦は日本にいい選手を紹介できる機会ですし、将来的にもどんどんやってほしい。もちろん私のチームは2対1か3対0で圧勝しますよ」と期待し、他にも「いい選手はたくさんいます。大体20名くらいですかね。ヘビー級が多いですが、60キロから95キロに選手が集まっています」と後続の存在も明らかにした。

 K-1をへてONEでキックボクシングの世界フェザー級王者となり、昨年はスーパーボンとマラット・グレゴリアンを破っているアラゾフは「私は全てを融合した形、ユニバーサルスタイルです。選手によってはプレッシャーをかけるタイプもいればトリッキーに戦うスタイルもいます。オランダスタイルや蹴り中心のムエタイスタイルもいます。でも自分は全てを融合したスタイルです」と自身のファイトスタイルに胸を張った。

 スイッチを使うことについては「右手を2回骨折したことがあったため、左手をより多く使って戦わなければいけない時期が4年くらいありました。スイッチで戦うスタイルが確立されたのはそれが背景にあります。あとは相手に合わせて自分のスタイルを変えるのが好きです」と説明。KOが多い理由は「相手のミスを逃さずに捉えることができます。スパーリングでは特にそれが顕著で何回も倒しています。その延長で本番の試合はKOが多く生まれているのだと思います」という。

 K-1で印象に残っている試合は「全てのK-1の試合が印象に残っていて好きですが、特に記憶にあるのは(判定勝ちした2017年6月1日の)城戸康裕戦ですね。あの時は右手を骨折していて、目と足も負傷していました。20パーセントのコンディションで戦い勝利することができた試合でした。歴史に残る試合でしたね。最後のラウンド前にコーナーへ戻った時に、コーチから“この試合はおまえのものだ”と言われて奮い立つことが出てきました。私はいつでも戦う準備ができていますし、絶対に心が折れることはありません」とした。

 ONEから将来的に選手としてK-1に復帰する可能性を聞かれると「もちろんです。自分にとってK-1スタイルが合っていますので、すぐにというわけにはいきませんが、そんなに遠くない将来、ここに戻ってくることでしょう。今の私はお金ではなくレガシー、自分の伝統を作ることを重視しています。これまで私は世界一になり、パウンド・フォー・パウンドとも呼ばれ、地位も名声も手に入れました。伝統を作る中では、やはりK-1へ戻ることも視野に入っています」と、前向きに答えていた。

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