井上尚弥が今回最長10ラウンドのスパーリング実施「下馬評を意識していたら最高の自分は作れない」

 「ボクシング・4団体統一世界スーパーバンタム級タイトルマッチ」(12月24日、有明アリーナ)

 IBF・WBO1位のサム・グッドマン(オーストラリア)の挑戦を受けて防衛戦を行う王者の井上尚弥(大橋)が28日、今回の試合前としては最長となる10ラウンドのスパーリングを大橋ジムで行った。

 先週からスパーリング相手として参加しているジャフェスリー・ラミド、23日に来日した新たなメキシコ人パートナー2人のうちの1人となるクリスチャン・オリーボと5ラウンドずつを消化した。オリーボは元WBCユース・シルバーフェザー級王者で、戦績は22勝(8KO)1敗1分。もう1人のメキシコ人パートナーはブライアン・アコスタで、過去に3度、スパーリングパートナーとして来日しており、戦績は20勝(8KO)。

 10ラウンドのスパーリングを終えた尚弥は「今日はだらけないで10ラウンドをしっかりとやりきった。あのテンポで10回を進めることができれば試合はもう問題ない。あと10ラウンドを1~2回はやりたいと思っている」と手応え十分。ラミド、オリーボの来日で「ラミドが来て対策面は全然、違いますね。イメージがしやすいので。(オリーボとも)良い実戦練習ができると思う」と期待している。

 世界タイトルマッチは今年3試合目となるが「もう慣れたものですよ」と笑顔で、「ただ毎試合毎試合、前回の自分を超えること、ドヘニー戦はドヘニー戦でやれることをしっかり、自分の中で120%やったつもりでいる。そのドヘニー戦を超えることがテーマというか。そこと比べて落とすことなく練習できればしっかり仕上げることができる」と強調。

 無敗かつ2団体で1位の最強挑戦者グッドマンを迎え撃つにあたって「周りの下馬評を意識していたら、最高の自分は作れない。自分としてはどの相手でも、死ぬ気で覚悟を持って挑んでくると思っているので。番狂わせをしてやろう、一晩で人生を変えてやろうという選手の気持ちを、自分が上回る気持ちでやらないと。気持ちの差が出ると思う。意識するのはそこですね。スパーリングの内容、もちろん対策も大事ですけど、一番は気持ちをつくりあげる。気持ちさえ作り上げることができれば、そこに隙も生まれずやることができる。そうすれば問題ないと思う」と、油断はみじんもない。

 大橋秀行会長は「本人も意識している部分はあると思うが、さらにディフェンスが良くなっているね。そしてフットワーク、ステップワークも最後の10回まで良かった」と評価。前売り券の売れ行きは既に1万枚を超えており、「本当に売れ行きが良いし、楽しみだね」と語っていた。

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