国際プロレスのエースで、全日本でも活躍した元プロレスラーのマイティ井上（まいてぃ・いのうえ、本名井上末雄＝いのうえ・すえお）さんが２７日午前９時５９分、心室細動で死去していたことが２８日、分かった。７５歳。大阪市出身。関係者によると、井上さんは数カ月前から療養中だったが、心停止による突然死だったという。

　井上さんは柔道とボディービルで体を鍛え、６７年に国際でデビュー。約２年間の欧州武者修行を経て、テクニックとセンス、パワーを併せ持ったファイトスタイルで主力選手に成長した。空中殺法も得意で、エドワード・カーペンティアにならった「和製マットの魔術師」の異名をとった。

　７４年にはスーパースター・ビリー・グラハムを破り、団体最高峰のＩＷＡ世界ヘビー級王座を奪取。ＡＷＡ世界ヘビー級王者のバーン・ガニアとはダブルタイトルマッチで引き分けた。アニマル浜口とのタッグ「和製ハイ・フライヤーズ」でＩＷＡ世界タッグ王座、全日本のアジアタッグ王座に就いている。

　８１年の国際崩壊後は全日本に移籍し、ＮＷＡインターナショナルジュニアヘビー級王座、アジアタッグ王座を獲得。９８年に引退し、全日本、ノアでレフェリーを務め、２０１０年に引退。宮崎県に転居し、インタビューやトークショーで貴重な証言を多く残した。

　◆マイティ井上（まいてぃ・いのうえ）本名井上末雄（いのうえ・すえお）。１９４９年４月１２日生まれ、大阪市出身。６７年に国際プロレス入門。仙台強戦でデビュー。７４年にＩＷＡ世界ヘビー級王者となり、団体のエースとして活躍した。８１年に国際崩壊で全日本へ移籍。９８年に引退してレフェリー転向した。００年、ノア旗揚げに参加。１０年にレフェリーからも引退した。得意技はサンセット・フリップ。