袴田巌さんが9年ぶりボクシング来場、後楽園ホールへ 姉ひで子さん「58年戦ってやっと勝ちました」

 1966年に静岡県の一家4人が殺害された事件で再審無罪が確定した元プロボクサーで元日本フェザー級6位の袴田巌さん(88)が29日、東京・後楽園ホールで開催されたボクシング興行に姉のひで子さん(91)と来場した。袴田さんがボクシング会場を訪れるのは、2015年以来、9年ぶり。

 第2試合終了後、ひで子さんが、WBCが袴田さんに授与した名誉ベルトとともに、WBC世界バンタム級王者の中谷潤人(M・T)らとリングイン。黒い帽子をかぶり、アリーナ奥で見守った袴田さんには、場内から温かい拍手が送られた。

 ひで子さんは「58年戦って、やっと勝ちましたの。これで無罪になりまして、巌も来てるんですが、急に機嫌が悪くなりまして、私一人で上がっております。楽しみにしておったんですよ。でもほんの5分ぐらいまでにうちに帰ると言いまして。無理やり上げるわけにもいきませんので私一人で上がっております」とあいさつし、「無罪判決が決まりました。死刑囚ではなくなりました。昨日も検察庁の静岡県の一番偉い方が謝りに来てくださいましたの」と無罪を報告した。

 「巌も今日、喜んで来たんですの。それが変わりますのは拘禁症のせいです」と、長期の拘禁の影響を語り、「本当に皆さんのご支援のおかげで今の結果があると思っております。ありがとうございました」と感謝。「巌ともどもなるべく長生きしていきたいと思っております」と話した。

 中谷は「本当に微力ではありますが、袴田さんの無罪への思いを伝えさせていただきました。こうやって後楽園ホールでご一緒させていただけること、本当にうれしく思います。おめでとうございます。これからも健康に過ごしていただきたいと思っております」と、袴田さんをねぎらった。

 日本プロボクシング協会からは、姉弟にパーカが贈呈された。

 協会は袴田巌支援委員会を設立。長きにわたり袴田さんを支援してきた。日本ボクシングの聖地・後楽園ホールには、袴田さんがいつでも観戦できるように、興行の度に「袴田シート」が設置されている。

関連ニュース

編集者のオススメ記事

ファイト最新ニュース

もっとみる

    主要ニュース

    ランキング(ファイト)

    写真

    話題の写真ランキング

    リアルタイムランキング

    注目トピックス