「ボクシング・日本ライト級タイトルマッチ」（７日、後楽園ホール）

　王者・三代大訓（３０）＝横浜光＝が元日本フェザー級王者で１位の丸田陽七太（２７）＝森岡＝の挑戦を華麗なファイトで退けて、２度目の防衛に成功した。

　「左ジャブの差し合いになる」と予想していた三代だが、長いリーチを生かした丸田の左ジャブに対して「長さは丸田君の方があると思っていて、僕の方が短いけど距離調整能力とか出しどころは絶対勝っていると思っていて、差し負けると思っていなかった」と、自信を持っていたことを試合後に明かした。

　具体的な「距離調整能力」について「僕の普段の姿勢は顔をちょっと前に出して気持ちクラウチングみたいな体勢。今日はフラットというか、左脚を前に出す分、ちょっと体勢を起きていて後ろ重心に。なので、あっちも（リーチが）長いけど、もっと踏み込んでくるしかないじゃないですか。クラウチングスタートだと丸田君は当てやすい。僕に当てるためには丸田君も（前に）出るしかないので。フォームを気持ち変えて。アゴもちょっと上がってたと思うけど、誘っていたというか」と説明した。

　早いラウンドから差し合いで勝っていると確信した三代は、接近戦になるとショートパンチで丸田をとらえていき、３回には左ジャブで後退させる。５回終了時のオープンスコアはジャッジ３者とも４９－４６で三代を支持。６回には左フックで腰を落としかけさせた。６回終了時、丸田陣営は棄権の意思表示をし、三代がＴＫＯ勝ち。丸田は３回に右目と右拳を痛めたという。

　三代は「丸田君が本当に強いのは分かっていて、丸田君のおかげでここまで練習することができて、成長することができた」と感謝。「３０歳なのでボクシングキャリアもそんなにチンタラやってる場合じゃない。統一戦とか、やるしかないと思っている。２０２５年は勝負の年にしたい」と来年の抱負を述べた。

　ライト級は先月、東洋太平洋王者の宇津木秀（ワタナベ）がＷＢＯアジア・パシフィック王者の保田克也（大橋）に６回ＴＫＯ勝ちし、王座を統一。来年は三代との３冠統一戦が期待される。

　三代は「チャンスあればいつでも、次でも。どんな道でもやれるんだったら僕はいつでもやりたいですね、チャンピオンと。（宇津木）一択です」と統一戦に改めて意欲を示し、世界ランクはＩＢＦ９位とあって「またはＩＢＦとかが上がっていったら、いつチャンス来ても。トライしたい」と、世界挑戦と両にらみの姿勢を見せていた。

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　４月１９日にデビューしたＵ－ＮＥＸＴ強化育成指定選手の堀池空希（２３）＝横浜光＝と高橋麗斗（２３）＝パンチアウト＝は、ＫＯ競演を飾った。

　堀池は６５・０キロ契約８回戦でガオ・チイン（２９）＝中国＝と対戦し、序盤から強打でタフなガオを圧倒。３回に右ストレートでダウンを奪うと、ロープに詰めてメッタ打ちにしてレフェリーストップを呼び込み、３回２分３５秒、ＴＫＯ勝ちした。

　堀池は「ホッとしました。皆さんにこれが堀池空希というのを見せられたと思います。アマチュアの時はポイントアウトのボクシングだったけど、今はしっかりプロの戦いに変わったのが、見たら分かったかなと思います。４月にデビューさせていただいてから２カ月に１回のペースで試合させていただいて、一気にプロ仕様にチェンジできたかなと思います」と、この１年の成長を実感。

　現在は日本スーパーライト級１１位だが、「来年はスーパーライト級の上のランカーの人を全員引きずり下ろしたろうと思っているので、期待していてください。来年はもっともっと上に行こうと思っています」と、下克上を宣言していた。

　チュウ・グォチ（２８）＝中国＝と６１・７キロ契約８回戦で対戦した高橋も、１回序盤から圧倒し、コーナーに詰めてラッシュすると左ストレートで最初のダウンを奪取。ロープに詰めてラッシュするとレフェリーが試合を止め、１回１分２３秒、ＴＫＯ勝ちした。

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　元日本女子ミニマム級王者でＷＢＡ５位の鈴木なな子（２５）＝横浜光＝はジム移籍初戦でタイ女子ライトフライ級王者のクンラテダー・クワサノウ（１７）＝タイ＝とライトフライ級６回戦で対戦。３回１分２４秒、ラッシュでＴＫＯ勝ちした。ともにデビュー戦となった山中蒼偉（２０）＝熊谷コサカ＝と内田和志（１７）＝鹿島灘＝のミニマム級４回戦はドローだった。