大仁田ががん手術後41日の西村と電流爆破 来年1・26広島でタッグ結成「愛と友情が芽生えた」

 「プロレス・FMWE」(8日、鶴見青果市場)

 年内最終戦「FMW- E ホーム第12戦 TO DO IS TO BE」が開催され、メインのノーロープ有刺鉄線+ジャイアント電流爆破バット6人タッグデスマッチ時間無制限1本勝負で、大仁田厚、雷神矢口、マンモス佐々木組が西村修、竹村克司、青木真也を撃破した。

 西村は今年4月に食道がんステージ4と診断され、10月19日に救急搬送されて同28日に脳に転移していた腫瘍除去の手術を受けていた。

 今回はそれから41日後の強行出場。西村が佐々木に羽交い締めにされて矢口の爆破バットを被弾すれば、西村は場外で大仁田にジャイアント電流爆破バットをぶち込んだ。最後は大仁田と矢口がサンドイッチ式電流爆破バットで竹村を爆殺し、大仁田が10分23秒、体固めで竹村から3カウントを奪った。

 試合後、大仁田が「西村さん、いつまでもリングに上がってください。お願いします!」と懇願すれば、西村は「人間にはいつか必ず死が訪れます。最後の最後まで悔いなく生きることが私に課せられた使命です。その日まで目いっぱい戦い抜きます」とマイク。大仁田は「僕は西村さんを憎んだことはありません。ぜひ、大仁田、西村組を実現させたい」とラブコールを送った。

 ここで1・26広島大会で引退するデビル・ザ・マジシャンがリングインし、「大仁田さん、西村さん、1月26日、パートナーを用意して、広島で待ってます!」と発言。大仁田が受け入れたため、同大会での大仁田と西村のタッグ実現が決定し、マジシャンはパートナーに葛西純の起用を明言した。大仁田と葛西の電流爆破デスマッチでの激突は初となる。イベントは大仁田が「西村さん、がんに負けるな。1、2、3、ファイアー!」で締めくくった。

 大仁田は「(8・24川崎大会で)ドリーと西村さんと戦って、僕のほうが生きる力をもらった。最後まであきらめない。どんなことがあってもリングに上がり続けるんだって。勇気をもらってるから。よくプロレスで遺恨とかあるんだけど、そんなんじゃなくて、変な友情が芽生えて。ぜひ西村さんと組んで、1月26日、広島大会に行きたい」ときっぱり。

 西村は「僕は新日本だったんで、なかなか接点はなかったんですけど、プロレス入って30年超えの時に、松江、広島と2大会呼んでもらって。松江の時、うれしい悲しい抜きに、涙が出てきた。その時はがんじゃなかったんですけど、大仁田さんが訴えようとしてること、求めようとしているファンの方々の気持ちがすごく純粋に見えて。あんな気持ちにさせられたのは初めてでした。それから気付いたら大仁田さんのプロレスにどハマりしてました。ドリーさんが駆けつけてくれて、がんが再発して、大仁田さんのプロレスにどっぷりハマってた。これからもどハマりをして、生きる糧にさせていただきたい」と前を向いた。

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