輪島功一さんの孫・広太が祖父の前で白星デビュー「いっぱいいっぱいでした」広太の兄・大心は初戴冠「ベルトは腰に巻くもんだ」
「ボクシング・日本ライトフライ級タイトルマッチ」(10日、後楽園ホール)
メインで日本ライトフライ級王者・川満俊輝(29)=三迫=が6位の大橋波月(26)=湘南龍拳=の挑戦を2回2分18秒、TKOで退けて2度目の防衛に成功した。
短くも壮絶な打ち合いを制した。1回、バッティングで大橋に1分間の休憩が与えられるアクシデントもあったが、2回、積極的に出てくる大橋に対し左フックで腰を落とさせると「弱い顔を見せたので、スキを逃さず行ってやろう」とラッシュ。大橋も果敢に反撃したが、川満は強烈な右フックをたたき込み、レフェリーが試合を止めた。
この日は来春のチャンピオン・カーニバルで挑戦してくる1位の高見亨介(22)=帝拳=が最前列で視察。川満は「スピードも攻撃力もパンチもある。全部そろっている選手。心技体が全部そろっていて、挑戦者らしく行かないと勝てない。世界に行くための、本当の日本チャンピオンになる試合」と、気を引き締めていた。
◇ ◇
セミで元WBA・WBC世界ジュニアミドル(現スーパーウエルター)級王者の輪島功一さん(81)の孫・磯谷大心(23)=輪島功一スポーツ=が加藤大河(21)=DANGAN越谷=との日本ユース・ウエルター級王座決定戦に臨み、判定2-0でベルトを巻いた。功一さんもリングサイドで見守った。
大心は試合前から両拳を痛めており、麻酔を打って臨んだ。この日にデビューした弟の広太が2-0の判定勝ちだったため、「見本を見せてやる」と意気込んでリングインしたが、3~4ラウンド辺りから左拳が痛み始めたという。
それでもジャッジが76-76、77-75、78-74をつけた競り合いを制し、「まだまだ課題だらけ。やることはたくさんある」と反省しつつも、初めてのベルトは「素直にうれしい」と笑顔。「ベルトは腰に巻くもんだ」と、感触を楽しんでいた。
◇ ◇
大心の弟で、インターハイに2度出場した磯谷広太(17)=輪島功一スポーツ=がプロデビューした。65・0キロ契約4回戦で3勝(2KO)1敗の藤原蓮(26)=黒潮=と対戦し、父の和広トレーナーや大心も着用したトランクスでリングインした。
サウスポーの広太は右ジャブ、左ストレートを効果的に使い、2回序盤にはラッシュする見せ場も作った。最終4回には藤原の強打を被弾する場面もあったが、ジャッジは2者が39-37、1者が38-38をつけ、2-0の判定勝ちを収めた。
広太は「いっぱいいっぱいでした。自分でボクシングを作れていない。反省点はめちゃくちゃいっぱいある」と振り返ったが、「アマチュアの時はけっこう緊張して動けなかったりしたけど、比較的足も動くし、集中して入れた。4ラウンドやりきれたのはけっこういい経験になった」と、手応えも感じた様子。来年はスーパーライト級で新人王を目指す。
◇ ◇
元日本フェザー級王者の佐川遼(30)=三迫=が1年2カ月ぶりの復帰戦に臨み、フィリピンフェザー級8位のジョンジョン・エストラーダに1回2分47秒、「練習していた」という右でKO勝ちした。
欠場中に右肘の手術も経験した佐川は「連敗中ではあったので、手術もして、再起戦は絶対に何が何でも勝つという意味で臨んだので、ホントに安心しました。勝って追われるのはこんなにうれしいと再認識しました」と喜び、「再起戦に勝つことができたんで、来年またタイトル戦線にからめるように、イチから頑張って行きます」と、2階級制覇を誓った。