大橋ジムは１４日、今月２４日に予定していた王者・井上尚弥（３１）＝大橋＝にＩＢＦ・ＷＢＯ同級１位のサム・グッドマン（２６）＝オーストラリア＝が挑戦するボクシング・４団体統一世界スーパーバンタム級タイトルマッチが、挑戦者の負傷のため来年１月２４日に延期されたと発表した。会場は当初と同じ有明アリーナで行う。

　挑戦者のグッドマンはこの日、自身のインスタグラムを更新。１４日朝に負傷した左目上を治療後、井上陣営やファンに思いを伝える動画を投稿した。「みんなに何が起きたかを伝いたい」と切り出し「東京へのフライト前に最後のスパーリングをしていたが、アクシデントでカットしてしまい４針を縫うハメになった」と語った。

　「できることなら戦いたいが、このような相手と戦うには陣営がいなければ危険すぎる」とし「ショックを受けているが、これは現実。観戦を予定していた人に謝りたいし、日本の皆にも申し訳ない」と謝罪した。

　その上で「井上と彼の陣営がこの試合のために大変な準備をしてきたのは知っている。自分のチャンスを逃したくないし、この男と戦いたい」「今回は１４週間のキャンプだったが、これは人生の過去１５年間の総決算であり、この地位に就きこの男と戦うためにやってきた全てだった。私はただチャンスが欲しいだけだ。この傷が治ったら、できるだけ早くできればいい」などと訴えた。

　ＦＯＸスポーツ・オーストラリアは同日、公式サイトで負傷時の状況を報道。この日朝、プロモーターのマット・ローズ氏が負傷直後にジムに到着すると、グッドマンは取り乱した様子で階段に座り、カットした左目上の傷からはまだ血が流れていたという。

　部屋の周りにはグッドマンの父・スティーブ氏ら４０人が黙って立ってぼう然としており、「部屋全体がまるで活気を奪われたようだった」「本当に悲惨だ」とのローズ氏のコメントを紹介。カット直後にグッドマンは陣営に対して試合ができると主張したと言うが、トレーナーやマネジャーに説得されたと生々しく報じた。