西田凌佑 7回KOで初防衛「内容は今までで一番悪い」反省も中谷潤人との統一戦を熱望

 7回、アヌチャイ・ドンスア(左)をKOし、初防衛する西田凌佑(撮影・山口登)
 7回、ドンスア(左)に強烈なパンチを見舞う
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 「ボクシング・IBF世界バンタム級タイトルマッチ」(15日、HOS住吉SC)

 王者の西田凌佑(28)=六島=が、挑戦者で同級14位のアヌチャイ・ドンスア(タイ)を7回KOで退け、初防衛に成功した。5月に王座を奪取した西田は5回に最初のダウンを奪い、7回に左ボディーで仕留めた。

 プロ入りして2度目のKO勝利で初防衛を果たしても、西田の表情は晴れなかった。「倒せたけど内容は今までで一番悪かった。相手のパンチをもらい過ぎ。雑でした」と勝者とは思えない反省のコメントを繰り返した。

 実は3週間前に、右あばら骨を痛めてスパーリングを中断。通常の半分以下の70ラウンドしか消化できなかった。明らかな調整不足で「リングに上がる前は不安しかなかった」と手探り状態で臨んだが、試合を進めながら徐々に持ち味を発揮した。

 序盤は積極的にパンチを繰り出してくるアヌチャイにやや手を焼くシーンもあったが、的確なボディーを中心に攻撃を組み立て徐々にペースをつかむ。5回にタイミングのいい右フックでダウンを奪い、フィニッシュとなった7回には「練習通り」という相手のパンチを外してからの左ボディーストレートで仕留めた。

 減量が厳しい状況は変わらないものの「バンタム級が盛り上がっているので、この階級で一番強い選手になりたい。中谷(潤人)選手と試合をやりたい」と統一戦を熱望。25年はさらに大きな舞台で輝きを放つ。

 ◆西田 凌佑(にしだ・りょうすけ) 1996年8月7日、奈良県香芝市出身。高校からボクシングを始め、国体少年の部フライ級で優勝。近大に進学後もボクシング部で活躍した。アマ戦績37勝13敗。卒業後は大手パンメーカーに就職したが、六島ジムに入門して19年10月にプロデビュー。21年4月にWBOアジア・パシフィック・バンタム級王座を獲得し、3度の防衛に成功した。家族は近大ボクシング部で同期だった沙捺夫人と1女。身長170センチ。左ボクサーファイター。

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