WBO王者・武居由樹が右肩関節唇損傷で防衛戦を延期、全治4週間「激痛で動かせないぐらいになった」
「ボクシング・ダブル世界タイトルマッチ」(25年1月24日、有明アリーナ)
WBO世界バンタム級王者・武居由樹(大橋)が右肩関節唇損傷で全治4週間と診断され、ユッタポン・トンディ(タイ)との防衛戦を延期することが18日、横浜・大橋ジムで発表された。記者会見には武居、大橋秀行会長、八重樫東トレーナーが出席。右腕をつった武居は「自分自身が本当に悔しい。試合をしたかった」と落胆を隠せなかった。
3者の話を総合すると、武居は今月5日に公開練習を行っているが、負傷したのは先々週のスパーリングでのことで、公開練習の前。痛みを訴えたという。武居は「試合は大丈夫」、「左だけでも絶対にやる」と話していたが、激痛が走り、パンチが打てないほどの症状で、同16日に医師からストップがかかったという。4週間は何もできず、「手術するギリギリのところ」(大橋氏)ではあるが、手術は受けない。負傷欠場は初めてのことになる。
武居は「ズレて音が鳴る感じとかはけっこう前からあった」と予兆があったことを明かし、「動かした時に激痛でしたね。動かせないぐらいになってしまって」と振り返った。
八重樫氏は今年の武居が「(2試合とも)激しい内容で、金属疲労みたいなのもあったと思う。他にケガをしてるところもあって、それをかばっているところ、最終的に右肩に来てしまった。関節唇の中の靱帯(じんたい)の方が少し剥離していまして、麻酔を打って強行すると試合が終わった後に断裂してしまう可能性もあった」と補足説明。
大橋氏は「無理して出たらたぶん負けただろうし、いい試合ができなかっただろうし。これで勝てるような甘い世界でもないし」と冷静に指摘し、ユッタポン戦は来年4~5月ごろの実現を目指す考えを明かした。
武居は各方面に陳謝し、「まずはケガの治療に専念して少しでも早く復帰できるように、少しでも強くなって戻ってこられるようにします」と誓った。来年の実現が期待される那須川天心戦に関しては「言う資格も今はないのかなと思います」と力なく話した。
この試合は4団体統一世界スーパーバンタム級王者・井上尚弥(大橋)がサム・グッドマン(オーストラリア)の挑戦を受ける防衛戦とともにダブル世界戦として12月24日に予定されていたが、グッドマンが左目上に裂傷を負い、興行が来年1月24日に延期されていた。