ボクシング元日本王者の中島玲が大ベテラン渡部太基にKO引導 鈴木千裕に宣戦布告「俺しかいない。KOする自信100パーセント」

 「キックボクシング・K.O CLIMAX 2024」(30日、横浜武道館)

 立ち技格闘技の今年最後のビッグマッチが開催され、メインではボクシングの元日本スーパーウエルター級暫定王者でキック4戦目の中島玲(26)と、キック60戦目でこれが引退試合となる渡部太基(37)がKNOCK OUTO BLACKウエルター級王座決定トーナメント決勝戦で激突した。

 中島は左フックで先制のダウンを奪うと右フックでダウンを追加。右目上をカットして大流血し、効かされながらも立ち向かってくる渡部に右フックを効かせ、1回2分41秒、KO勝ちで大ベテランに引導を渡した。

 中島は「勝ち方は最高な勝ち方で、観客が喜んでくれる勝ち方ができて良かった」と喜び、渡部の最後の相手を務めたことについて「みんな命懸けてやってると思うけど、(渡部が)人生かけてきてるのは試合前から分かってたので、おかげでこの試合内容。ホンマに尊敬してるというか、(今後のKNOCK OUTは)俺に任せてくれという感じでしたね。2回目のダウン以降、目がブレてるのわかってるのに、効いてるのに立ってくる渡部選手最高やなと」と、リスペクトを口にした。

 さえ渡ったパンチについては「モードに入るというか、ゾーンの入り方が分かったというか、目の位置のやりどころが分かったという感じですね。相手を見てるというより、勝手に目を開けてたら見えてる」と解説し、「打ち合いで当たったもん勝ちという試合じゃなくて、ボクシング日本チャンピオンなんで、当てたもん勝ちはイヤやったんで、はっきり俺の方が強いぞと」と元ボクサーの誇りを隠さず。

 リングでは「鈴木千裕選手の相手は僕しかいないでしょ!」と挑戦表明し、バックステージでも「(来年)6月の(国立代々木競技場第二体育館)大会、そこでしょ。鈴木千裕選手が(KNOCK OUTO BLACKスーパーライト級王座の)防衛戦をいするなら、もう僕しかいないでしょう。鈴木千裕選手しか見えてない、やらせてくれという感じです。そういう試合をしたと思っています」とアピール。

 「KOする自信が100パーセントあります。僕が勝ってKOで終わります。鈴木千裕選手は本気で全力で殴ってくるけど、僕はもともとパンチのスペシャリストなんで話にならないよ」と絶大な自信を漂わせ、「僕がノックアウトをしょっていくんで」とエース宣言した。

 完敗した渡部は「みごとにやられたなと。思ったより速くて、あっと思ったら倒れてたんで。先先を取られた。何をもらったのか分からなかった。効いたなと思って。2回目のダウン、けっこう効いた。記憶では。やり返さなきゃと思ってたんですけど、そこの記憶が曖昧で、自分が何をしたかも覚えていない」と振り返った。

 試合後、中島に歩み寄ってたたえた際には「ありがとう、ノックアウトよろしくねと言った記憶はあります」という。

 渡部は「何の言い訳もできない。たぶん3ノックダウンは人生初なんで。3回取られてぶっ飛ばされたのは初めてですね。もちろん悔しいですけど、しっかり準備してきたし、せっかくここまで来たんでね。もうちょっとやりたかったし、もうちょっとお客さんに見せたかったですね」と言うと、思わず涙。

 最後の団体となったKNOCK OUTについて「ホント最高ですね。スタッフさんも皆いい人ですし、選手愛が伝わるなと。居心地が良かったです。勝って言いたいことあったけど、負けて終わったんで。ホントに長い間応援してくれてありがとうございました」と涙が止まらなかった。

  ◇  ◇

 ISKA世界スーパーフェザー級王座決定戦は、龍聖(23)がアルゼンチンから飛来したブライアン・ガビオ(23)を判定3-0で破り、新王者となった。中盤以降、強烈なパンチのコンビネーションでダメージを与えて押し切った。

 龍聖は「KOで勝っていい姿を見せたかった。ふがいない試合ですみません」と反省した上で「今、日本の立ち技は良くない状況。僕が稼げる状態に戻したい。このキックボクシングを守りたい」と責任感をにじませ、「6月の代々木で小僧にやり返す」と、今年6月の代々木大会でプロ初黒星を喫した久井大夢へのリベンジを宣言した。

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