WWE・US王者の中邑真輔、後輩・佐々木憂流迦に完勝「プロレスには自由が詰まってる。なりたい自分にもなれる」と金言も
「プロレス・ノア」(1日、日本武道館)
米WWEのUSヘビー級王者・中邑真輔(44)が、MMAから転向してデビュー1周年の佐々木憂流迦(35)と一騎打ちを行った。
中邑は対戦が決まると言葉のプロレスを仕掛け、10代から交流がある後輩の憂流迦を混乱と苦悩に陥れたが、この日の憂流迦は独自の世界を見せつけて入場。中邑も和楽器の演奏に乗って武将のようなかぶとと頰当てを装着して入場し、場内はオリエンタルなムードに一変した。中邑のコスチュームは白のノースリーブに白のパンタロンで、目の周りを青くペイントしている。
ゴングが鳴ると憂流迦はMMAで培った打撃や飛びつき三角絞めなどのサブミッションをくり出していくが、心得のある中邑は巧みに対応すると、体格差を生かした重い打撃を入れ、格の差を見せつけるようなファイトを展開し、2年前の日本武道館大会でグレート・ムタから吸収した毒霧も噴射。最後はスタイルズクラッシュ、背後からのキンシャサ、正面からのキンシャサとたたみかけて14分57秒、体固めで3カウントを奪った。
中邑は「十分恥かいたでしょうよ。木っ端みじんに砕け散った自分自身をどうやってかき集めてなりたい自分を作るかは憂流迦本人なんで、知ったこっちゃない」と憂流迦をバッサリ。
「捕らわれすぎですよ。素の自分で来いつったのは、裸になって来いってことですよ。外側だけガチガチに固めて、見透かされてるんだって。あとはアイツ次第。甘いわ。自分で見つけろ。アイツのためになることは一言も発するつもりはございません」と突き放しつつも、「このプロレスという不思議な世界にはいろんなところに自由が詰まってるんですよ。自分がなりたい自分にもなれる。そこに必要なものはたくさんある。一筋縄にはいかないでしょうけど、時間もかかる。だけど憂流迦は35なんで、ダメならダメ、すぐ答えは出るでしょうよ」とヒントも与えた。
中邑は「元日、日本武道館で試合をするということは中邑真輔、日本男児として誉れ高いことではあります。日本で試合をすること、日本武道館で試合すること、それも元日に。この上ない、今アメリカで孤軍奮闘、どうにかこうにかもがき苦しみ生きながらえてる自分にとっては、この上ない誉れ、ならびに救いであります」と、メジャーリーガーの心情がにじむ言葉で締めくくった。
中邑に翻弄(ほんろう)された憂流迦は「このトシになってね、この感覚がもらえんのはありがたいことですよ。プロレスの強さ、すごさ、身に染みて感じましたね。まだまだっすね」と完敗を認め、「まだまだもがきですよ。死に物狂いで行きますよ。今は何言ったって信じてもらえないかもしれないですけど、俺は真輔、追いつきますよ、追い越しますよ。今日ホントに決心しました」と、この日の敗北を糧にすることを誓っていた。
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