低迷のエースが復活!新王者の林下詩美「マリーゴールドをどんどん大きく」スターダム時代との変化吐露
「マリーゴールド MARIGOLD FIRST DREAMS~2025~」(3日、大田区総合体育館)
マリーゴールド・ワールド選手権試合が行われ、挑戦者の林下詩美が22分23秒、ハイジャック・ボムからのエビ固めで3カウントを奪取。王者Sareeeを破り、第2代ワールド王者に輝いた。
トップ選手の地位だったスターダムを退団し、新天地に移り7カ月強。ついに万年エース候補が至高ベルトを手にした。「(マリーゴールドで)初のベルトを取れた相手は最強で最高のチャンピオンだった。ありがとう」。フリー選手ながら、王者に君臨し続けたSareeeへの感謝を口にした。
王者のダイビングフットスタンプ、裏投げ2連発を浴び絶体絶命だった。必殺のリフトクラッチ式裏投げに移行される隙をつき、スリーパーホールドで捕獲し、そのまま大腰であお向けにたたきつけて大ダメージを与え、流れを呼び込んだ。最後は滞空時間の長いハイジャック・ボムで難敵を撃破した。
サリーがマイクで呼びかけた。「オマエ、今日みたいな試合、できるんだったら最初からやれよ!メチャクチャ悔しいけど、きょうからはオマエがエースだ。これからマリーゴールドを引っ張って行けよ!借りは必ず返すから。そのベルトの価値を上げて待っておけよ」。その言葉は林下のファンの思いそのものだろう。
鳴り物入りで新天地に移ったが精彩を欠き、ダブルエースだったジュリアは米WWEに活躍の場を変えた。ジュリアが退団の際に「オマエ、元気がないぞ!」とゲキを飛ばされる程だった。“外敵”であるSareeeの君臨を許し続けた。
昨年夏のシングルリーグ戦・ドリーム・スターGPで優勝し、今回の挑戦の機運をつかんだ林下。ベルトを掲げ「Sareeeは先頭でマリーゴールドを作ってくれた。感謝しているよ。これからは看板を背負ったエースになる」と宣言。さっそく挑戦を訴えたタンクに呼応し、防衛戦を受諾した。「私を筆頭に、マリーゴールドをどんどん大きくしていきます」と誓った。
スターダム時代の2020年11月に“アイコン”岩谷麻優から至宝の赤いベルト、ワールド王座を奪取。9度の防衛を重ね、女子プロレス大賞に輝く活躍を見せた。
団体最高峰のベルトに対する心づもりは、当時と大きく異なるという。
「前のベルトの時、自分はまだキャリアがなくて、皆さんにこんな奴がベルトを取って…という気持ちがあったと思います。その気持ちを覆そうと、メチャクチャ突っ走っていました。そのおかげで、今の林下詩美があると思います。あの時を大成長とするならば、今は大成長をした上で、前はチャンピオンとしてで精いっぱいでしたが、今はチャンピオンそして団体のエースとしての責任がある。たくさんのものを背負ってやっていきたい」
使命感に心を振るわせながら、誓いを立てた新王者。5月24日には、団体立ち上げ1周年記念として、代々木競技場第二体育館に初進出する。生え抜き1期生として、林下がマリーゴールドを引っ張る。