瑞希が絶対王者・渡辺未詩から王座奪取「うれしーい!ここで寝たーい!」渡辺は「えーん」と号泣 SKE48・荒井優希も王座転落
「プロレス・東京女子」(4日、後楽園ホール)
2025年の初戦が開催され、1583人(超満員札止め)のファンが見守る中、三大タイトルマッチが行われた。
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第14代王者の渡辺未詩に瑞希が挑戦したプリンセス・オブ・プリンセス選手権試合は、瑞希が第15代王座に返り咲いた。渡辺は6度目の防衛に失敗した。
山下実優から王座を奪取し、元王者の中島翔子、辰巳リカを相手に防衛して絶対王者になりつつある渡辺は、ベアハッグやバックブリーカーなど持ち前のパワーを生かして瑞希の背中、腰に集中砲火。瑞希はダイビングボディーアタック、コーナートップから場外へのダイビングフットスタンプなど立体殺法に活路を見いだす。
最後は渡辺のカナディアンバックブリーカーからのバスターをカウント2で返した瑞希が、ティアドロップを回転エビ固めに切り返し、渦飴、キューティースペシャル(ブロックバスターホールド)とたたみかけて18分40秒、3カウントを奪った。
瑞希は渡辺と固く抱擁し、この日、米AEWから一時参戦したかつてのパートナー、坂崎ユカからも祝福された。
「取りましたー!本当に本当に未詩のおかげで、皆のおかげでもう一度諦めたくないと思ったし、強い気持ちで挑むことができました。ありがとうございます。あまりしゃべると泣いちゃうから、もう私もお姉さんやから、しっかりとして未詩が進めまくった時計の針を、私は磁場が狂ったときみたいにぐるぐる進めるように頑張るので、これからも私たちが届けるものを受け取ってください。ありがとうございました」と一気に話すと、「わー!うれしーい!ここで寝たーい!」とベルトを抱いてベンチに寝転んだ。
11日の神戸芸術センター大会では、地元・神戸に王者として凱旋する。前回の戴冠時は王者として勝利できなかった後悔があり、「次は地元で勝って、おばあちゃんに勝った姿を見せられるように頑張ります!」と約束。「私はホントにホントに温かくて強い光を放って、皆と一緒に輝けるように頑張るだけです!」と王者として誓った。
昨年3月に奪取した王座から転落した渡辺は、涙が止まらず。
「負けました。でもこの期間、自分の中でめちゃくちゃ成長できたし、ベルト取ったからにはチャンピオンとして頑張らなきゃとか、そういう焦りとかもいっぱいあったけど、さっきまではチャンピオンとして防衛重ねて自信もつけて、チャンピオンになれてました。でももっともっと最強になりたいし、強くなりたいし、でも瑞希さんが強くて、もっともっと瑞希さんに勝てるように頑張るだけだと思います。さみしい、チャンピオンベルト、さみしい、えーん。まだまだ頑張ります」と号泣していた。
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第12代王者の荒井優希(SKE48)に鈴芽が挑戦したインターナショナル・プリンセス選手権試合は、鈴芽が荒井を破り第13代王者となった。荒井は7度目の防衛に失敗した。
身長167センチの荒井に対し152センチの鈴芽と、体格に勝る荒井が優勢に試合を進めたが、フルネルソンバスターをこらえた鈴芽がフェースクラッシャーでたたきつけ、「とっさに出た。アイデアの一つではあった」という、ロープに飛び乗って反転する変型のリング・ア・ベルからの片エビ固めで13分20秒、フォール勝ちした。
鈴芽は「荒井優希に勝ちました!初めて戦った時から瞳が強くておじけづいちゃいそうな迫力があって、今日が一番強くて、でも負けたくなかったし、気持ちはうそじゃなかったから、最後まであきらめずに戦えました」と、うれし涙混じりの笑顔で振り返った。
「ここからもっともっと、ベルト取ってからやりたい相手もいるし、海外の選手とも戦いたいし、優希ちゃんの防衛記録も超えていきたい。バンバン防衛を重ねていきたい。優希ちゃんの防衛ロードがすさまじいものだったのは知ってるので、それに負けないように頑張ろうと思います」と新王者の誓いを立てた。
荒井は「応援の声とかもいっぱい聞こえて、いっぱい応援してもらったのに勝てない自分がすごく悔しい。でも負けたけどずっと全力でぶつかってきた相手なので、悔しさとかふがいなさとか今日は少なくて、全力で言ったけど無理だったと言い切れるので、鈴芽さんにまた自分が強くなって立ち向かうくらい強くなりたい」と試合を振り返り、「1年間も一緒だったので(ベルトが)急になくなっちゃったのがすごい不思議な感じで。この後自分はプロレス一本でやる(3月でSKE48を卒業)ので、他のベルトにも向かっていけるような、いっぱいチャレンジできるようなプロレスラーになりたい」と、サバサバした笑顔を見せた。
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第17代王者組の121000000(山下実優、伊藤麻希)にマーシャ・スラモビッチ、ザラ・ザッカー組が挑戦したプリンセスタッグ選手権試合は、王者組が3度目の防衛に成功した、。
場外でスラモビッチが肩車した山下にザッカーがトペ・スイシーダの形でラリアットをブチ込むダブル・インパクトなど外国人チームの好連係とパワーに苦戦したが、最後は伊藤が逆エビ固めでスラモビッチを捕獲している間に山下がバズソーキックからクラッシュ・ラビットヒートから12分5秒、エビ固めで押さえ込んだ。
山下と伊藤は「強かった、ヤバいよ」と疲労困憊(こんぱい)ながら、「あの強い2人を2025年1発目に勝って防衛できたんで、行けるんじゃないですか。あと7回以上。行けるよ」(山下)と大台の10回防衛に手応え十分。
マーシャは「世界最高の選手といい試合ができた。次に来る時は私のTNAのベルトをかけて戦いたい。誰の挑戦でも受ける」、ザッカーは「頭をたくさん蹴られてたんこぶができた」とぼやきつつも「タイトルを取るまで私を止めることはできない」と、不屈の闘志を見せていた。