井上尚弥に急きょ挑戦の金芸俊「奇跡じゃないか」施設で生まれ育った幼少期 20歳でボクシング開始「常に井上選手を意識してきた」

 ボクシング世界スーパーバンタム級4団体統一王者の井上尚弥(32)=大橋=が24日に防衛戦(有明アリーナ)で戦う、WBO同級11位の金芸俊(キム・イェジュン、32)=韓国=が15日、ソウルで公開練習を行い、試合を配信するLeminoのインタビューに応じた。井上に挑戦予定だったサム・グッドマン(オーストラリア)が再度左目上を負傷したため、試合13日前に急きょ代役として挑戦することに決まったが、「ボクシングを始めた時から、世界王者になることを目標にいつもやってきた。(井上を)以前から研究してきて、常に井上選手とやるつもりで練習していた」と、千載一遇のチャンス到来に闘志を燃やした。

 金芸俊は25戦21勝(13KO)2敗2分の右オーソドックスのタフなカウンターファイターで、リングネームは「トラブルメーカー」。過去日本選手とは7戦7勝と、“日本人キラー”ぶりを発揮している。今回、防衛戦が当初の12月24日から1カ月延期となったことで、大橋ジムはリザーブとして金芸俊をアンダーカードに組む予定だったが、グッドマンが再度負傷したことで急きょ白羽の矢が立った。

 金は生まれてすぐに児童養護施設に預けられ、19歳まで施設で育ったという。「20歳の時に退所して、一人で家を探して、お金を稼ぐためにボクシングを始めた」。幼少期は親がいないことがつらかったと明かし、「小学校や中学校の時は多感なので、他の人には親がいるのに私にはいなくて、萎縮したり、恥ずかしかったり、自信もなくなることが多かった」と述懐。「今は、ボクシングを始めてからは(負い目が)完全になくなった」と語った。

 モンスターを常に意識してトレーニングを重ねていたというものの、「井上選手は私の階級の中で一番上手な選手だから(仮想の)練習相手にしてきただけであって、戦わなければならないと想像したことは一度もなかった。(挑戦できるのは)奇跡じゃないですか。私にとっては。今の韓国ボクシングの(不遇な)この状況では本当に奇跡のようなことで、起きるとは思わなかった」と驚いた様子。人生を変える最大のチャンスに向けて、「あまりにも(話が)急にきて、決意など大きいものはないが、これまでずっと井上選手を見てきたし、私の全てのトレーニングはいつも井上選手に合わせていた。その成果として、(自分が)井上選手を負かせるかもしれないと言いたい」と大番狂わせを期した。

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