山中「お互いが勝って」興毅と統一戦
「WBC世界バンタム級タイトルマッチ」(4月8日、両国国技館)
トリプル世界戦に臨む帝拳ジム所属の王者・山中慎介、王者・五十嵐俊幸、挑戦者・三浦隆司の公開練習が4日、都内の所属ジムで行われ、それぞれ3ラウンドのスパーリングなどで汗を流した。山中は3度目の防衛に成功して、自身の前日に6度目の防衛戦を行う同階級のWBA王者・亀田興毅(26)=亀田=と統一戦を行うことを熱望。五十嵐はアマチュア時代から知る八重樫東にライバル心を燃やし、三浦は世界挑戦に失敗した2年前からの成長をアピールした。
山中の口から、興毅へのメッセージとも取れる言葉が出た。「お互いが勝って、統一戦ができればいい」‐。1日違いで防衛戦を行う同階級の日本の世界王者2人。嫌でもファンの比較の対象になる。山中は「差を見せつけたい。自分の方が強いと思われる試合をしたい」と興毅を強く意識した。
4月1日にはJBCがIBF、WBOを承認するため、統一戦の選択肢は増える。以前から統一王者を目標に掲げている山中は、「WBAになるかWBOになるか分からないけど、やりたい」と希望した。
そのためにはV3は絶対条件。相手のツニャカオとは会えば話をする仲だが、「知ってる選手なのであまり研究していないが、出入りのスピードが速く、ディフェンスもうまい。なかなか当たらないことをイメージして練習している」と、対策を立てた。
調整は順調だ。1月末から10日間、五十嵐、三浦とともにハワイキャンプを行い、1日25キロを走り込んだ。さらに、得意の左を生かすため、右の強化にも取り組む。「右を使うことで左も当たる。左がよくても、警戒されるとなかなか当たらないので」と説明したが、「それでも最後には当てますけどね」と、自信も見せた。
拳を交えない興毅との戦いのゴングが鳴った。