大毅、絶食減量に勝ち「歴史が変わる」

 「IBF世界Sフライ級王座決定戦」(3日、サンメッセ香川)

 第1関門突破や‐。前日計量(リミット52・1キロ)が2日、高松市の商業施設「丸亀町GREEN」で、一般に公開して行われた。亀田3兄弟の次男・大毅(亀田)は1回目に52・1キロでパス。過酷な減量を終えて安どするとともに、翌日の当日計量へ気を引き締めた。一方のロドリゴ・ゲレロ(メキシコ)は1回目に200グラム超過し、4回目に52・1キロでパス。陣営は体重計の異常を訴え、グローブの変更を要求するなど“クレーマー”ぶりを発揮した。

 “浪速の弁慶”に笑顔が戻った。計量をパスした大毅は集まった見物客に向かって、「正直、しんどいです。でも、これもボクシング。明日まで考えて食事をして、100%の力を出せるように頑張ります」とあいさつ。表情には、前日までの険しさが消えていた。

 直近6戦はバンタム級以上の試合。約1年9カ月ぶりにスーパーフライ級へ階級を下げる減量は過酷を極め、大毅は「過去トップ3に入る」と振り返った。今回は絶食が5日間におよび、計量前日でリミットまで1キロ余りも超過。父の史郎氏も「それ(減量)だけが心配」と気をもんだが、大毅が「今からでも試合できる」と意気込んだほど、終わってみれば杞憂(きゆう)に過ぎなかった。

 だが、まだ最後の関門が残っている。IBFは独自のルールで当日計量を実施し、リミットより4・5キロ以上の体重増を認めない。この試合はJBCが加盟後に、日本で初のIBF世界戦。もちろん、大毅も当日計量は初体験になる。「やってみないと分からん。もうゴングは鳴ってる」と気を引き締めた。

 直近6戦の前日計量後は体重を5キロほど戻しており、「普通にやってたら軽くオーバーする」と慎重。普段の計量後は重湯、豚しゃぶなどを口にするが、「食べる物は変わらん。量が減るだけ。一口ずつ重さを量って食べる」と対策を立てる。

 兄・興毅に続く兄弟2階級制覇、世界初の3兄弟同時世界王者、3兄弟で世界主要4団体の王座獲得と多くの記録がかかる一戦。大毅は「相手もいい選手で一度ベルトを巻いた人間やから無傷でいるとは思ってない。明日はいろいろ歴史が変わる瞬間。男やったら絶対決めないといけない」と必勝を誓った。

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