小関、伝説V13 具志堅氏に並んだ

 「WBC女子世界アトム級タイトルマッチ」(3日、後楽園ホール)

 王者の小関桃(31)が同級10位アンゴー・ワンソンチャイジム(17)を9回TKOで下し、男子の元WBA世界ライトフライ級王者・具志堅用高氏(58)が持つ日本最多記録に並ぶ13度目の防衛に成功した。WBA世界女子ライトミニマム級王者の宮尾綾香(30)は同級10位ブアンゲルン・ワンソンチャイジム(21)を5回KOで下し、4度目の防衛に成功。IBF世界女子ライトフライ級王者の柴田直子(32)は同級11位グアダルペ・マルティネス(23)を3‐0の判定で下し、初防衛に成功した。日本の女子世界王者は7人のまま。

 “カンムリワシ”具志堅氏が13度目の防衛を達成してから33年。伝説の記録に並んだ小関は「具志堅さんの記録とは別のものだと考えてますが、王者になってから5年半、100%のコンディションを作って勝ってきたことは誇りに思う」と、控えめに喜びを表現した。

 試合は王者の貫禄を示す完勝。スピード豊かな動きでプレッシャーをかけながら、手数を正確に繰り出し、優位に試合を展開。17歳ながら70戦のムエタイ経験を持ち、国際式は5戦全勝の挑戦者アンゴーのクリンチにてこずったが、9回にロープ際で連打を浴びせ、レフェリーストップを呼んだ。

 記録達成には具志堅氏の助力もあった。2週間前には電話で「頑張れ、記録をつくれ」との言葉をもらった。また、王座を奪取した試合と初防衛戦は具志堅氏が会長を務めるジムの興行。小関は「チャンスをくれて、会ったら激励してくれて、具志堅さんなくしてはない記録」と感謝した。

 長期政権の原動力は「いい試合をしたいし、強くなりたい」という向上心。だが、ここ1年は「次で最後」との思いもよぎっていた。「でも、勝つと喜んでもらえたり、試合が決まってたり、もう1年頑張ろうという気になる」と前を向く。さらに「もっといいボクサーになって、女子だからってこともなく、認めてもらえるようになればいい」と、女子ボクシングの人気向上も切望した。

 次戦は未定だが、具志堅氏を抜いて女子の世界記録に並ぶV14がかかる。桃の節句に開いた桃の花は、このまま咲き続ける。

関連ニュース

編集者のオススメ記事

ボクシング世界戦記事バックナンバー最新ニュース

もっとみる

    主要ニュース

    ランキング(ボクシング世界戦記事バックナンバー)

    写真

    話題の写真ランキング

    リアルタイムランキング

    注目トピックス